山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

久しぶりに三陸の海岸に訪れました

石巻気仙沼の下見打ち合わせ

2021年5月

2021年5月22日、23日に石巻から気仙沼に行ってまいりました。久しぶりに感じますが、これまでの訪問頻度が高いですから(笑)随分と風景が変わったように見えるところもありますが 変わらない皆さんが迎えてくださいました。

登米を通って~

気仙沼登米が舞台になっている朝の連続ドラマが先週から始まりました。
大きな平成合併後の登米市全体が舞台のモデルとなっていて、撮影もかなり広い範囲で行っているようですが、見慣れた風景に 嬉しい毎日(毎日見ているわけではありませんが;)を過ごしています。
中でも登米(とよま)と言えば、私たち2011年から始めた十三浜プロジェクトにつながる活動で何度も何度も歩き回り、たくさんの方々にお世話になってきました。
平成9年(1997年)日本建築学会賞受賞を授賞した「森舞台」など 何度も訪れた場所、よく通る所などが映し出され、嬉しく、たのしいです。

登米・森舞台

こちらが登米の森舞台(伝統芸能伝承館森舞台, 隈 研吾さん設計)です。写真は日本工学院八王子専門学校の渋田雄一先生(当時)と 2012年にはじめて訪問したときに撮影したものです。

登米の森舞台

写真には背景の山があまりうつっていませんが(さらに真夏でわかりにくい)後ろの山林が借景になるように考えられています。
また、この舞台の建築のおおきな特徴のひとつは、ふつうなら隠してある、舞台の床下を見せているところなのだそうです。音響のため置いてあるツボが見えています。これはあまりお能を詳しく知らない者が見ても面白いなと思いました。

登米の森舞台

その登米の中でも登米町森林組合(合併後は登米市森林組合になっています)の竹中さんにはたいへんお世話になり、また、いろいろな情報交換などをさせていただきました。十三浜プロジェクトで2012年、一番最初に製材した木材は、森林組合/竹中さんにお世話になり、登米材木店さん(製材所)に原木を持ち込んで製材していただきました。
竹中さんが今回のドラマの林業部門に協力なさっているというクレジットを拝見してたいへん嬉しい気持ちにさせていただいております(あくまで一方的にです、笑!)
竹中さんは 先進的な考え方をおもちで かつ 熱心に取り組みを進められていて その取り組みがドラマでも多く取り上げられているように感じられます。
今後も地域全体含めてもりあがってくれたら!と願っております。
今度竹中さんにお目にかかったら裏話なんかも聞くことができるかもしれません。たのしみです。

2012年8月30日 登米材木店搬入
2014年6月7日 竹中さんのご案内で見学させていただく
十三浜にて

帰って参りました、十三浜・相川です。 (注:筆者出身地ではありません;)

2021年5月21日 相川にて

いつもお世話になっている小指の遠藤さんがちょうどこんぶの調整作業中で(こちらにはありがたいことに)お目にかかることができました。
作業中のおこぶ・もちろんわかめも;いただいてしまって;うれしいです!
今回はごあいさつだけで失礼いたしましたが ありがとうございます。

十三浜ワカメは まちがいなく、地球でイチバン!のわかめにちがいありません。
三陸各地でいずれも名産のわかめですが 中でもこのあたりは太平洋に注ぐ大河・北上川から供給される栄養で育つのですから!その・十三浜に届く水を運ぶ北上川の流れは、雪解け水で少し茶色く濁っています。川にはシジミ漁船が出ていました。
北上川は遠く八幡平周辺からの雪解け水を運んできます。その年の雪の量や降り方、春の雪解け時期の天候がわかめの成長に大きく影響するのだよ、とは、十三浜の漁師のみなさんから教えていただいたことです。毎年の、奥羽山脈への降雪を気にかけているのだそうです。
彼らの生活/生きざまが THE・自然学<そのもの>です。本当にカッコいい。

by the way, 十三浜プロジェクトは2014年度グッドデザイン賞を受賞しました。
十三浜(相川地区)仮設住宅自治会のみなさん、日本工学院八王子専門学校のみなさん、登米町森林組合、水守の郷・七ヶ宿のみなさん と、山の自然学クラブが地域復興とデザイン教育の連携プロジェクトとして取り組んだ活動を一緒に申請して、受賞対象となりました。
http://shizen.or.jp/tohoku/13hama_goodDesignAward.html
これからも十三浜のみなさんとは関わり合いながら活動していきたいと考えています。

少し飛んで・気仙沼

海べの森をつくろう会の第一回目の植樹祭の場所は木々が大きくなっています!
山の自然学メンバーで(いつだったか)枝打ちをしたのも役に立っていそうで うれしいです。

2021年5月23日 海べの森をつくろう会の植樹地

石井誠治さんと植栽したマツの苗もこんなに大きくなっています!手前にあるハマナスは2014年に海岸で採取した種子から育てた苗木を、2017年に現地の子供たちと一緒に植栽したものです。こちらもずいぶん大きくなりました。

2021年5月23日 海べの森をつくろう会事務所の入り口

山の自然学クラブでは海べの森をつくろう会と協力して、一緒に海岸線を歩いて再生した海岸植物を探し、花が咲くのを待ちながらモニタリングを続けてきました。そして、2014年・2015年に宮城県自然保護課から委託を受けて、海岸植物の採取を始めました。
その後も、砂浜や海岸に再生した植物たちから、種子採取や実生の採取活動を続けてきました。この活動を通じて、海岸植物の再生力を目の当たりにし、現地の皆さんも大いに勇気づけられたようです(私たちもです)。

新型コロナの影響が大きかった昨年・2020年はなかなか現地へは行かれませんでしたので、計画していた活動は延期もしくは検討しなおしとなってしまっていましたが、人数や参加形態を限定しながら、やりやすい形から取り組んでいきたいと思います。
もともと何もないところから、制限だらけのところから始めた活動です。これからも特に大変だとは考えないようにしたいと思います。
また、初心に戻って、希望する参加者で実施する現地講座/自然観察会を企画しようと考えています。宿泊施設も、利用できる施設も十分にあるわけですので、地域外から訪問した方が野外観察をするのにはさほど支障はありません。
ここ数年は 現地ガイドの養成、現地の皆さんをご案内をすることを優先して企画していましたが とりあえずそれらのことにはこだわらない形で企画してみたいと思います。
逆に2011年から10年たった経過やその後の推移を勉強(復習もかねて)していくことも意義があると感じていますし、もうすでに最初に見たところなんて忘れてしまった(?)かもしれません(笑)。

果樹・自然や植物に親しむ関係の活動についても 現地スタッフの方とご相談をしております。大人数/一般募集を呼びかけてイベントをするのはまだ難しいですが、声をかけやすい常連の参加者の方などに、ご家族ごとに参加してもらって、いつもお邪魔している三本木の果樹園に収穫体験のお世話になるような感じであればさほど無理をしないでも計画できるのではないか・・と話し合いました。今年の夏のイベントから、徐々に楽しい企画を再開したいと思います。

山の自然学クラブには 新しい会員の方もいらっしゃいますので、企画を考えます!お楽しみに。