山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

4月28日からの現地講座ご案内と「東海丘陵要素植物」について

4月28日からの現地講座ご案内

4月28日から29日、30日は多治見~長野県飯田市の間に分布する東海丘陵要素植物の自生地を樹木医/森林インストラクターの石井誠治さんと一緒に巡る現地講座を行います。
ホームページ ご案内はこちら

さらに、4月30日には飯田市遠山郷・旧木沢小学校から、石井さんと中村による 今回の観察結果を踏まえたオンライン講座を行う予定です(申込みの方にご案内します。ゼミ形式でご参加頂くことを予定)!
いずれも、ぜひご参加下さい。
オンライン講座はzoomミーティングの使用を予定しており、どこにいても参加できます!

募集: 4月30日 オンライン講座のご案内

4月30日 18時or18:30頃~1時間程度 オンライン講座(zoomミーティング利用)を予定しています。参加希望の方は事務局へメールで参加申込みをして下さい。
「稀少種樹木のお話~東海丘陵要素の紹介」
日程:4月30日 18:30~19:30(予定)
話題提供:中村華子 コメンテーター:石井誠治
参加費:1,000円(要事前申込み)
参加方法:4月26日までにメールでお申し込み+参加費を事前支払いできる方は、中村宛にメールで申込みして下さい。返信にてご案内いたします。
それまでに直接申込みできない方は 前日までにpeatixから申込み+チケット購入してください(手数料がかかるので金額が異なります。peatix経由の場合は1,200円となります)。

山の自然学クラブ オンライン講座「稀少種樹木のお話~東海丘陵要素の紹介」 | Peatix


zoomミーティングは設定後、前日までにメールで配信URLをお知らせします。
時間になったらつないで受講して下さい。

今回の講座はゼミ形式で行いたいと思います(参加者もぜひ発言していただきたい)。可能な方はカメラもオンにして参加して下さい。中村からの簡単な話題提供、説明の後は、木沢小学校にいる参加者のみなさん、オンライン参加のみなさんとやりとりする形式で進行する予定です。

おまけに 資料、話題が準備できましたら、翌日からの「遠山郷南アルプス」についてのご紹介も行います!

「東海丘陵要素植物」について

伊勢湾周辺に位置する照葉樹林帯の丘陵地・台地の湧水湿地や痩せた土地に生育する東海地方固有、あるいは国内における分布の中心がある植物15種は、「東海丘陵要素植物」と呼ばれています。これら東海丘陵要素の植物は非泥炭性の低湿地の周辺にみられる特徴的な植物種で、「土岐砂礫層」下部から生じる湧水や小規模な湿地に生育していることが多いと言われています。
今回、東海丘陵要素植物が自生している場所を何カ所か周りながら、成立している立地環境を観察し、その特徴や成り立ちについて考えたいと思います。

海丘陵要素植物

議論もあるようですが、以下の15種が東海丘陵要素植物とされています。
フモトミズナラシデコブシ、ヘビノボラズ、マメナシ、ハナノキ、ナガボナツハゼ、クロミノニシゴリ、ヒトツバタゴ、ミカワバイケイソウシラタマホシクサ、ウンヌケ、トウカイコモウセンゴケ、ナガバノイシモチソウ、ミカワシオガマ、ヒメミミカキグサ

これらの植物の多くが分布や個体数が限られていることからレッドリスト掲載種(希少種)になっており、自生地の多くが天然記念物等に指定されるなど、保護すべき対象とされています。

東濃準平原と土岐砂礫層

木曽川中流域には八百津高原、瑞浪高原、飯地高原など 標高600m前後の高原が広がっていて、これらを合わせて東濃準平原といいます。

東海層群のうち濃尾平野の地下を含めて伊勢湾以東の地域に分布する地層を「瀬戸層群」といいます。東濃地域では下部層の土岐口陶土層と、上部層をなす土岐砂礫層からなります。
「土岐砂礫層」は、第三紀鮮新世(約400~600万年前)に古・木曽川から運び込まれた土砂が堆積して出来た地層で、数十~100mもの厚さがあるそうです。その下には(前の時代に)湖底に堆積した「土岐口陶土層」と呼ばれる緻密な粘土層が分布しています。これは基盤の花崗岩の中に含まれる長石や雲母が細かい粘土に風化したもので、層厚は30~50mあります。

犬山市HP「ヒトツバタゴ自生地の案内」より
瑞浪市HP「ハナノキ自生地の案内」より