山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

気仙沼・森のたんけん隊!

三陸のフシギをめぐる自然学/森のたんけん隊 at気仙沼

樹木ハカセ・石井先生と森の探検をしよう!

2015年9月13日 気仙沼市本吉地区で、自然観察会を実施しました。
今回は、樹木医・森林インストラクターの石井誠治さんにご指導頂きました!
世界中を飛び回っている石井さん、多忙な日程の合間を縫って三陸へお越しくださいました。

午前中は徳仙丈山で源流に近いきれいな渓流とその周りの明るい混交林を。
そして午後は、いつも活動している果樹園や畑で。

徳仙丈には豊かで美しい森があります。
徳仙丈山は気仙沼市のホームページ表紙を飾るような代表的な景勝地として知られていますが、ツツジの季節以外に訪れた方はほとんどいらっしゃらないようです。キノコ狩りに来る程度なのだそうです。
しかし、こんなに美しい渓流と明るい森があるのです。まさに、地元の宝ですね。

きれいな森と元気な参加者のみなさんに、石井さんのお話もなめらかに。(いつもなめらかですが;)
秋にはいって、森は豊かな実りの季節です。色とりどりに、目を楽しませる用意をしてくれているようです。
木々や草の実やタネも様々。イヌブナも見つけました!今年ミズナラは豊作です。鳥が好きな赤い実もありました。きのこもたくさんあり、みなさん盛り上がります。
リスがくるみを食べたようです。

雨上がりで蛙さんたちもたくさん出てきていました。子供達は大はしゃぎ。

森の外に出て、道沿いも観察してみます。明るい場所には、森の中とは違った植物や生き物が見られます。
 
秋のお花もたくさん観察しました。ダイズ(大豆)の原種のひとつとも言われるヤブマメを見たみなさん、「ホントだマメだ~」と感心しています。お花もかわいいです。
 

日本では、縄文時代から食べられる植物を選んで集落の近くで栽培していたことが知られていますが、よく知られている栗やドングリなどの木々の実のほか、このような豆類、麦なども遺跡から見つかっているそうです。三陸地域の遺跡からはマグロやウナギ、牡蠣などもたくさん出土するとか。うらやましいような気もします.. 今日この山を歩くと、そんな頃の生活も思い浮かぶような気がしてきます。


ミズナラのドングリを拾って、楽しい収穫に満足した後は;
参加者のおなかを満たします。徳仙丈の駐車場でお昼をとりました。気持ちのよいピクニックです。

午後は果樹園に戻って、いつもの生活圏にあるお花や植物を観察します。

キクの仲間の花をルーペで拡大し、お花ひとつずつがどうなっているのか見てみます。小さなお花がまるく集まって、大きなお花に見えることがわかります。子供達も一生懸命に観察。
果樹園では、みなさんが育てている茶豆が実って、取り頃になっていました。参加のみなさんで収穫して、持って帰ってもらいます。
この日とれた茶豆を少し分けて頂きました! おいしかった、ありがとうございます。

石井さんはこの日、植物のフシギ・森のヒミツの他にも、長い時間をかけてつくられて、守られてきた、そして変わってきた人と植物との関わり方、森の生態と人による管理、人間の生活による変化など... 多岐にわたるお話をして下さいました。
気仙沼のみなさんの胸には、どんなお話が残ったでしょう。


前の週に台風がきて、土曜日には首都圏に地震があって電車が一時停まるなど。
始まる前はどうなることかと思った今回の観察会でしたが、当日はお天気にも恵まれ、本当に楽しい一日となりました。


講師の石井誠治さん、いつもお世話して下さる海べの森をつくろう会のみなさん、ご参加頂いたみなさん、
ありがとうございます!

また気仙沼へ行くのが楽しみです。
10月10日~12日は樹木の種子採取の活動を予定しています。ぜひご参加ください。