山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

石井誠治さんの最新著書「木を知る・木に学ぶ」

石井誠治さんの最新著書「木を知る・木に学ぶ」

石井誠治さんの最新刊著書が2015年7月17日に刊行されています。
「木を知る・木に学ぶ」 ヤマケイ新書です。
 ↓ 山と渓谷社の書籍案内ホームページwww.yamakei.co.jp


2015年10月4日 読売新聞の書評欄に、この本の紹介文が掲載されました!
コピーを石井さんから頂きましたので掲載します。
石井さんの、自然に対する深い愛情と洞察力が表現されている嬉しい文章ですね。石井さんご本人も喜んでいらっしゃいました。

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この本は、石井さんらしい、優しさのあふれる文章で綴られています。本当に読んでいて楽しくなります。ぜひみなさんもお手にとってみて下さい。

気仙沼・森のたんけん隊!

三陸のフシギをめぐる自然学/森のたんけん隊 at気仙沼

樹木ハカセ・石井先生と森の探検をしよう!

2015年9月13日 気仙沼市本吉地区で、自然観察会を実施しました。
今回は、樹木医・森林インストラクターの石井誠治さんにご指導頂きました!
世界中を飛び回っている石井さん、多忙な日程の合間を縫って三陸へお越しくださいました。

午前中は徳仙丈山で源流に近いきれいな渓流とその周りの明るい混交林を。
そして午後は、いつも活動している果樹園や畑で。

徳仙丈には豊かで美しい森があります。
徳仙丈山は気仙沼市のホームページ表紙を飾るような代表的な景勝地として知られていますが、ツツジの季節以外に訪れた方はほとんどいらっしゃらないようです。キノコ狩りに来る程度なのだそうです。
しかし、こんなに美しい渓流と明るい森があるのです。まさに、地元の宝ですね。

きれいな森と元気な参加者のみなさんに、石井さんのお話もなめらかに。(いつもなめらかですが;)
秋にはいって、森は豊かな実りの季節です。色とりどりに、目を楽しませる用意をしてくれているようです。
木々や草の実やタネも様々。イヌブナも見つけました!今年ミズナラは豊作です。鳥が好きな赤い実もありました。きのこもたくさんあり、みなさん盛り上がります。
リスがくるみを食べたようです。

雨上がりで蛙さんたちもたくさん出てきていました。子供達は大はしゃぎ。

森の外に出て、道沿いも観察してみます。明るい場所には、森の中とは違った植物や生き物が見られます。
 
秋のお花もたくさん観察しました。ダイズ(大豆)の原種のひとつとも言われるヤブマメを見たみなさん、「ホントだマメだ~」と感心しています。お花もかわいいです。
 

日本では、縄文時代から食べられる植物を選んで集落の近くで栽培していたことが知られていますが、よく知られている栗やドングリなどの木々の実のほか、このような豆類、麦なども遺跡から見つかっているそうです。三陸地域の遺跡からはマグロやウナギ、牡蠣などもたくさん出土するとか。うらやましいような気もします.. 今日この山を歩くと、そんな頃の生活も思い浮かぶような気がしてきます。


ミズナラのドングリを拾って、楽しい収穫に満足した後は;
参加者のおなかを満たします。徳仙丈の駐車場でお昼をとりました。気持ちのよいピクニックです。

午後は果樹園に戻って、いつもの生活圏にあるお花や植物を観察します。

キクの仲間の花をルーペで拡大し、お花ひとつずつがどうなっているのか見てみます。小さなお花がまるく集まって、大きなお花に見えることがわかります。子供達も一生懸命に観察。
果樹園では、みなさんが育てている茶豆が実って、取り頃になっていました。参加のみなさんで収穫して、持って帰ってもらいます。
この日とれた茶豆を少し分けて頂きました! おいしかった、ありがとうございます。

石井さんはこの日、植物のフシギ・森のヒミツの他にも、長い時間をかけてつくられて、守られてきた、そして変わってきた人と植物との関わり方、森の生態と人による管理、人間の生活による変化など... 多岐にわたるお話をして下さいました。
気仙沼のみなさんの胸には、どんなお話が残ったでしょう。


前の週に台風がきて、土曜日には首都圏に地震があって電車が一時停まるなど。
始まる前はどうなることかと思った今回の観察会でしたが、当日はお天気にも恵まれ、本当に楽しい一日となりました。


講師の石井誠治さん、いつもお世話して下さる海べの森をつくろう会のみなさん、ご参加頂いたみなさん、
ありがとうございます!

また気仙沼へ行くのが楽しみです。
10月10日~12日は樹木の種子採取の活動を予定しています。ぜひご参加ください。

しおかぜ観察会_at_気仙沼・本吉

しおかぜ観察会_at_気仙沼・本吉

2015年7月26日は、海べの森をつくろう会主催でしおかぜ観察会を開催しました。
梅雨明けしたと発表されたこの日、気温は30℃を超え、快晴!眺めは素晴らしいですが、たいへんな暑さの1日でした。しかし小学生のみなさんは、暑さもなんのその、元気いっぱいです! ・・大人たちはだいぶツラそうでしたが... 終わった後のバーベキューだけを楽しみにしていた方もいらしたようです^^;)


この日は、日本自然保護協会が考案し、全国で実施を呼びかけている「砂浜ビンゴ」に挑戦してみました。主催された「海べの森をつくろう会」さんのメンバーがよく様子のわかる写真を撮って下さいました。

砂浜が小さく、狭くなってしまったお伊勢浜、後ろに広がっていた松林も2011年の津波でなくなってしまいました。

しかし!少しずつ復活、もしくは進出してきた海岸の植物たちが、新しい立地に根付いて育ってきています。
つる性のハマヒルガオは根が定着できたのか、今年の夏になって大成長をしました!
昨年はなかったところでたくさんの花を咲かせたのです。そしてそれらの花々はこの時期、実になり熟してきています。

今回の大きな目的のひとつは、このハマヒルガオの種を取ることです。少しでも多く取っておいて、現地で保存、砂が帰ってきたところに戻していく予定です。
ハマヒルガオは、砂がかぶってきたところに真っ先に生えてくる、砂浜から砂丘への第一歩を彩る植物。日本の海べを美しく飾ってくれる、bouquetのような植物です。ハマヒルガオの花のうしろにハマナスの木が育っていく、そんな浜べを目指していきます。

軽井沢の自然と浅間山の高山植物

軽井沢の自然と浅間山高山植物と植生遷移

6月20,21日は現地講座「軽井沢の自然と浅間山高山植物と植生遷移」を行いました。
20日(土)は軽井沢駅に集合、地元に在住のチョウの生態写真家、栗岩さんにご案内いただきました。

かつての軽井沢は火山性の土壌に湿性草原が多くあったそうで、宅地開発が進んで乾燥化してきたようです。下野さんがサクラソウ会議のみなさんが作製したという、土地利用の変遷をあらわした地図を持ってきて下さいました。大正時代くらいには、草原や湿地が多く見られます。
20日にはそんな草原を再現した場所2カ所を栗岩さんにご案内いただきました。
 
栗岩さんは、ちょうちょなどきれいな昆虫は成虫になった姿はよく見られるし、大切にされるけれども、卵の時代、幼虫の時代に生活するための環境、幼虫に必要な食草などを同時に守らないと保全はできないということをそれぞれのチョウを実例としてあげて、説明して下さいました。

こちらの草地は台風により風倒木を処理した後、サクラソウ会議のみなさんで毎年草刈りをするなど、草原の植生を保存する取り組みをなさっているとのこと。これからの推移を私たちも見守っていきたいものです。
また観察・見学をさせて頂こうと思います。ありがとうございました。

21日(日)は浅間山の外輪山の斜面で、下野さんの研究フィールドを案内して頂きました。今年は開花が早いといわれていますが、待望のユキワリソウもまだ咲いてくれていました。その他にも梅雨時に見頃になる植物をたくさん見ることができました。下野さん、ご案内ありがとうございます。

みなさんのお心がけのためか..。梅雨時・一日雨の天気予報でしたが、実際にはほとんど雨に降られることもなく歩くことができました。そして、待望の浅間山の眺望も!ちょうど眺めのよいところに到着したときに雲が晴れ、顔を出してくれました。みんなゴキゲンです。
今度は季節を変えて観察しに来るのもよいのでは、と参加者のみなさんからのご要望もありました。また行きたいですね!

2015年6月13〜14日 富士山南麓・低山帯の広葉樹林

2015年6月13〜14日 富士山南麓・低山帯の広葉樹林

山の自然学クラブの富士山森林復元活動

山の自然学クラブでは、2003年から富士山の南麓で自然の森(天然林)を目指して森林復元活動を行っています。
目標となる植生をよく知るため、日頃から樹木や森の観察会などを実施していますが、今回はいままで歩いたことのないところに行ってみました。
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本の森林の一部には、後世に残すべため保存するように指定された森があります。林業など生物資源を持続可能に利用することが主な目的ですが、必要以上には人手が入っていないので、自然の状態を観察するのに適しています。
今回歩いたのは、富士山南麓に設定されている低山帯広葉樹林の二カ所です。

東臼塚周辺の森には、ハイキングできるように散策路が整備されています。気持ちのよい森林浴コースです。

六番の森は、ブナやケヤキの大木が残る美しい森です。シカの影響が見られますが、被食を防止するためか、網で何カ所か囲ってありました。
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これらの森にみられる植物の構成を目標に・参考にして、私たちの活動地にある植物を近づけていくようにします。

今回、私たちの協定林ではホオノキやヤマボウシなどいくつかの樹種が花をつけていました!木々も育ってきてくれているのだと実感。これからも目標になる森林を見ながら活動したいと思います!

山の自然学クラブ・富士山での森林復元活動・夏は8月22日~23日に行います。
http://www.shizen.or.jp/fuji/sch_20150822.html
どなたでも、お気軽にご参加ください!

2015年6月 三陸講座

6月6日、7日は三陸現地講座を実施致しました。すっかりおなじみになった鎌田先生に今回もご指導いただきました。
今回の三陸現地講座の日程、見学予定などはこちらをご覧下さい。

今回は気仙沼市内での実施分は、気仙沼特定非営利活動法人海べの森をつくろう会さんに実施していただき、共催させていただきました。
また、1日目の夕方に室内講座を企画致しました。現地からはちびっ子(!)、小学生やお母さん、学校の先生方、などなど25名の方々がご参加下さいました。

2日目は現地から15名ほどご参加いただき、屋外での現地講座です。
絶好の観察日和。海もきれいです。みなさんの目もキラキラ。

砂浜やれき浜のでき方、砂やれきの運搬・堆積について、実際に砂を手にとりながら先生のお話を伺います。

化石の探索では、生き物の形そのものの化石(アンモナイトが多出することで有名な大沢漁港)はもちろん、生き物が動いた跡や歩いた跡、巣穴などの跡が化石になること、何億年も前なのに、海底の巣穴がそのまま見られるなんて!とみなさんオドロキの連続。
気仙沼市内で一番古い地質は、湾内の中心にあります。いつも通るところに、山のような、宝のような化石が。まったくうらやましい限りです。

チビっ子博士たちは先生を取り囲んで、質問攻めです。わざわざお家から石を持ってきて、見てもらった子もいました。

先生にも新鮮な一日になったでしょうか(笑)。
鎌田先生、ご参加下さったみなさま、そして、共催して下さった海べの森をつくろう会のみなさん、ありがとうございます。

6月20-21日 浅間山の高山植物と軽井沢の草原を観察するツアー

6月20-21日 浅間山高山植物と軽井沢の草原を観察するツアー

今年ははじめての取り組みとして、山の自然学ツアーを開催しています。
6月のツアーは軽井沢~高峰高原~浅間山をめぐります。

宿泊する高峰高原では、お天気に恵まれたら、満天の星空を楽しむことができます。
見頃になる高山植物を身近で観察できるツアーです。
ぜひご参加ください。

昨年の様子をこちらでご紹介しています

ヤマケイオンラインに、すてきな記事を掲載してくださいました。
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