山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

登戸周辺の野鳥観察

登戸周辺の野鳥観察・多摩川シリーズ第5回

2020年3月1日(日)山の自然学クラブ・首都圏現地講座

2020年3月1日は、野鳥の会の会員でもある門司さんを案内役に、多摩川周辺を中心に連続して開催している首都圏現地講座「登戸周辺の野鳥観察・多摩川シリーズ第5回」です。登戸駅を起点に多摩川・二ケ領用水堰周辺と生田緑地を回って水鳥と山野の鳥を探して歩きました。
今回、小泉先生がご参加下さいまして(!) 門司さんがお詳しい野鳥観察だけではなく、多摩川周辺~生田緑地周辺では地形や地質の観察を兼ねながら歩くことができました。参加のみなさん ラッキーでしたね!!

ぽかぽかの陽気の中、気持ちのよいお散歩を兼ねた講座となりました。多摩川の河川敷では早咲きのサクラが満開です。さっそく二ヶ領宿河原堰の周辺にいる野鳥を観察。2019年の台風の爪痕が残る河川敷ですが、鳥たちは居心地のよい場所を選んでそれぞれに過ごしているようです。コサギアオサギ、カワウやカモ類など水辺の野鳥を中心に何種類か見ることができました。この時期は川辺に来ているというユリカモメも群れていました。

2020年3月1日多摩川河川敷にて
2020年3月1日 二ヶ領宿河原堰

ちなみに、二ヶ領宿河原堰は、江戸時代の1611年に完成した二ヶ領用水に多摩川の水を取り入れるため設けられた堰です。1949年に取水量の確保のためコンクリート製の堰になりました。しかしその後、1974年の台風で左岸側の狛江市に洪水被害が発生したため改築が検討され、可動堰として2m切り下げた堤にすることになり、1999年に現在の堰が完成したものです。

多摩川での観察の後、生田緑地に移動します。生田緑地では野鳥観察コースをゆっくり歩きました。キヅタに実が残っていて、この時期、貴重な食べ物になっているようです。たくさんの鳥たちが集まって実をつついていました。
ヒヨドリエナガ、ジジュウカラがさかんに実を食べているのを観察できました。

生田緑地内での観察
近くの木からリズミカルな音が聞こえてきました。コゲラが幹をつついているのが見つけられました!

生田緑地には、1971年に「ローム台地における崖崩れに関する総合研究」の実験を行っていたときに発生した事故の慰霊碑が設置されています。小泉先生が学生時代のことだったそうで、かかわった知人もおり、よくおぼえていると当時のことを話して下さいました。

広場でお昼を取った後、枡形山へ登りました。山城のあったところで、眺めのよいことでも知られています。
登りながら途中では、露頭が見えているところで地層の観察も。ゴマシオ軽石層と呼ばれる27-29万年前の八ヶ岳火山の噴出物(多摩IIローム層に含まれる地層)がよく見られる所もありました。その前の時代、約30万年前まではおし沼海進により海底であったため、丸い礫がたくさん含まれている地層が見られます。海の底だったときは周辺はどんな地形だったのか?考えてみるとおもしろいです。

暖かい日で、少しかすんでいましたが、お天気で遠くまでよく見ることができました。

枡形山から

充実した1日の行事となりました。
ご案内下さった門司さん、ご参加のみなさん、ありがとうございます。

20200301 生田緑地にて


(おまけ)途中で見かけた 少しおもしろい自動販売機・だしの素?