富士山の森・森林復元/2018年夏の活動
2018年8月25日~26日は、山の自然学クラブで行っている富士山の植林活動/森林ボランティアの夏の活動でした。
今回は三井住友銀行 ボランティアスタッフYuiのみなさま、そして岐阜や愛知・東京から初参加のみなさまを交え、夏の森林復元活動を行いました。
2日目にはブナの天然林を観察しに、富士山南麓の森の中を歩きました。こちらも 森の成り立ちをみんなで観察しながら、たいへん気持ちのよいハイキングとなりました!
ご参加頂いたみなさま、本当にありがとうございます。
1日目8月25日 ~植林地での植林・補植作業
午前中からいらして下さったみなさんには、補植の準備と植栽地の草刈りなどの整備を担当して頂きました。
素晴らしい効率で作業を進めて下さり、植栽の準備はバッチリです。
お昼からいらしたメンバーには、補植に使う苗の準備を担当して頂きます。こちらは、昨年に東京農大から学生さんが持ってきて下さった苗です。富士山の天然林から数年前に採取をして、2,3年程度大学で育てて下さったものです。
感謝を持って、ていねいに掘りあげて頂きました。
25日は濃霧で!数メートル先も見えないくらい視界の悪い中での作業となりました。
みなさん、炎天下で暑いよりよかったよね~ とおっしゃって頂いていましたが...
富士山の夏は、山頂から駿河湾までの気温差や、風の向きもあり、たいへんに雲のできやすいことをお話しするのですが、その通りのお天気になりましたね~ と 言い訳のように(?)説明をしながらの作業です。
湿度100%に限りなく近い状態での作業、ミストサウナに入ったと思うことにしましょう;
ともあれ、用意した苗木は全部植栽完了。今回は、12種・300本の苗木を富士山に返すことができました!
夕方、作業を切り上げたあとには全員で 温泉に入浴して,さっぱりとしてから宿舎へ。
これまた恒例ですが、かんたんに活動紹介のレクチャーをさせて頂きました。今回の主題は、富士山と私たち日本人の最近のおつきあいについて、です。江戸時代までは富士山は神域として大切に守られてきていたと考えられます。信仰の対象として、さらに経済効果も生んでいたと思います。また、開発に関しても、中世までは人力での開発が限界ですので、さほど大きな改変はしてこなかったのではないかと考えられますし、そのように記録されています。
しかし、現在の富士山を見ると、開発のあとはしっかりと残されています。
私たちの社会や生活の変化が、富士山にどのように関わってきたのか考える事も、森林を「復元する」ことを考える上では大切なことです。
2日目8月26日 ~種子と実生の採取、天然林の観察会
翌日も朝はなかなか富士山が顔を見せてくれません。宿舎から早朝に少し顔を出していたのですが、ほんのわずかだけで、多くの方は見逃してしまっていました。厚い雲に隠れていましたが...
登っていくと、だんだんと雲が晴れてきます!
西臼塚の駐車場に着いた頃にはこんな感じ! みなさんに夏の富士山を見て頂くことができてよかった!
さて、森を歩いてたくさんの樹木や、その生活をご紹介します。
戦後70年経って成長したと思われる、わずかに残るブナの成木(このあたりに大木と言えるような木はほとんどありません)を観察しました。そして、数十年前に伐採されたと思われる大木の切り株には、新しい芽生えが生えてきています。この苗が100年生きて次の世代を担うようになるのか... 今見ている誰もがたぶん見られないことでしょう。
でも、ここちのよい天然の森の感触をみなさんには楽しんで頂けたことと思います。しっとりしたたくさんのコケの感触、ふわふわの地面の感触はこの森の大きな特徴です。
ご参加のみなさん、山の自然学クラブスタッフのみなさん、今回も本当に楽しい2日間になりました。ありがとうございます!
またみなさん、ぜひぜひ 富士山にいらして下さい!