山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

秋の富士山森林復元活動・初冠雪!

富士山・2013種子採取

2013年10月19日,20日は毎年恒例の富士山での森林復元活動(植林ボランティア)
秋は種子採取です。

今年は夏から久しぶりにブナの開花・結実が見られていましたので、たいへん楽しみにしていました。富士山南麓では、ミズナラのドングリはだいたい隔年でとれるのですが、昨年は凶作年でしたので今年は豊作のはず。こちらもたくさんとれるのではと期待でした!

この週、台風26号が関東を直撃しました。富士山でも樹木の葉はたくさん落葉していましたし、枝が折れたり、枯れた大木が倒れたりしていましたが、それほど大きな被害はなかったようです。
もう少し西寄りの進路をとったら富士山ももっと被害が出ていたかもしれませんが...。

今回は東京農業大学の治山・緑化工学研究室から橘先生と学生さん12名が参加して下さいました。麓で落ち合って採集開始です! 今回は遠く、北海道、長崎県からの参加者も!!

みんなで協力して種子を採取し、精選/調整作業(夾雑物をとったり果肉を取ったり、洗ったりして種子を取り出す)を行います。

台風の風でもブナの実は大丈夫だったようです。というより、ちょうど堅果が熟した時期であったので、よい状態の種子が落ちてくれていました。そこそこの量がとれました。ほんの少しとれたことは何度かありましたが、豊作でさらに充実した堅果がたくさんとれるのは、2003年以来;実に10年ぶりです。続けていると、よいことがありますね!

・・みんな夢中。 リスやネズミに負けない熱心さです!

ところで、この日は雪化粧をした美しい富士山を見ることが出来ました。広島出身の学生さんは今日初めて間近で富士山を見たそうで、本当によかったですね。
--夕方の知らせで知ったのですが、この日、富士山は初冠雪だったそうです。平年よりも19日遅く、昨年より37日遅かったとか。
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富士山豆知識

富士山の初冠雪とは、いつのことかご存知でしょうか。
富士山では、1日の平均気温が最も高い「最高気温日」が季節の境目です。つまり結果的に、最高気温日より早い降雪が「そのシーズン終わりの雪」、最高気温日の後の最初の降雪が「初雪」となります。
そして現在、山頂での有人観察はしなくなりましたので、初雪は観測できなくなりました。現在発表される「初冠雪」は「山が白くなった状態を、地元の気象台や測候所から初めて観測できたとき」と定義されていますので、富士山では甲府地方気象台から富士山に雪が見えたときに「初冠雪」として発表されます。