山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

富士山での種子採取

10月22日〜23日は、富士山森林復元の活動で、種子採取をしました。
富士山の森林復元活動では遺伝子の多様性を大切にするため、自分たちで採った種子や、実生から育てた苗だけを使用することにしています。

今年も、農大から学生さんがお手伝いにいらして下さいました。

東京農業大学 治山・緑化工学研究室の福永先生と学生さんには毎年、種子の採取や精選作業・貯蔵や、苗の生産などについて助言して頂いたり、お手伝いして頂いたりしています。今年は初めて、橘先生が参加して下さいました。

種子を探しながら天然林を歩き回ることで、目標となる森の構成を学んだり、再確認したりすることにもなります。
また、植物には、いかに多様な生存戦略を持っているのか、様々な生態系のつながりが実感できる機会でもあります。


写真はケヤキです。
紅葉していますが、黄色い葉と、茶色になっている葉の色が違います。
茶色になっている部分が種子がついている枝で、この部分だけは早く水分が少なくなって、風に吹かれたときに切り離され、種子と一緒に飛んでいきます。
種子のついた部分だけを選んで、小枝と葉っぱが羽の役割をするのです!すごい仕組みです!!

22日の午前中には少し雨に見舞われましたが、23日には写真の通りの快晴に!
気持ちのよい森林浴にもなりました。

ところで、今年の紅葉は、色づく時期が少し遅いようです。
例年ではこの時期が標高1000m〜1500mくらいの最盛期なのですが、今年は1週間から10日くらい遅いようです。