山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

身近なところから-初夏の植物観察のすすめ

小満/初夏の観察会・番外編

遠くに行かなくても楽しみはたくさんあります。身近な自然や植物をじっくり観察してみましょう。

樹木ハカセ・石井誠治さんと観察ポイントの紹介動画を作成中!

今年は山の自然学クラブの活動や行事も延期等が続いてしまっていましたので、なかなかみなさんとお目にかかれずにおります。そろそろ、状況を見ながら 屋外行事などから計画を立ててご案内させていただきたいと思います。
会員のみなさん、関連のみなさまには お体に気をつけて頂き、ぜひまた元気に講座等ご一緒できればと存じます。

和田倉門 2020年5月24日撮影
季節は小満。植物も新しい葉を広げ、生き物たちが生き生きと輝く美しい季節です。外に出ないでいるなんてもったいない!・・ぜひご用のついでやお住まいの近くなど 無理のない範囲で屋外・植物の観察など楽しんで頂きたいと思います。
こちらは江戸城の和田倉門です(下記観察とは別の日に撮影)。門前の和田倉橋の擬宝珠は、復旧以前のかつての橋に使用されていたものをそのまま使っているそうです。東京駅からすぐ近く、和田倉の堀や門の周りは鳥も多く見られ、公園や周辺もきれいに整備されていますので、ぜひ近くへいらしたときには観察してみて下さい。

さて、さて、2020年は4月から活動や講座の多くが延期となってしまって、みなさんと一緒に観察や講座を出来る機会が少なくなってしまっています。
それで、石井誠治さんと相談して、自宅の近くでも出来る観察ポイント、この時期見頃になる植物などをみなさんに紹介する動画を作成して配信してみようかと言うことになりまして 近隣の公園で動画を撮影して参りました。

2020年5月28日 撮影のようす
こちらは子どもがしかられているようにも見えてしまうかもしれませんが(笑)
フキとツワブキがすぐ近くにあって比べてみられるね!と撮影しているところです。

ちょうど今は旧暦では閏卯月であり、新暦カレンダーでは5月・皐月です。ウツギのお花と、サツキのお花を両方観察することが出来ました。どちらもよく目立つ、きれいなお花です。白いお花はどんな虫にもよく見えますが、赤系統の色はチョウチョ(アゲハ類)にはよく見えるそうです。受粉してもらう相手との共進化の賜物ですね。

ウツギの花
 
2020年5月28日 サツキの花

ネズミモチトウネズミモチもちょうど並んでいるところがあり、一緒に観察することが出来ました。ネズミモチの花のよい香りが周辺に漂っていて(残念ながら香りは今回の動画にはのせられませんが)ミツバチなどの虫たちがたくさんやってきていました。花の蜜をもらいに来ているときには虫たちが争っているところをあまり見ませんが、みんなで蟹を食べているときに 夢中になってしまう私たち(?)と同じような感じなのでしょうか;

ネズミモチの花にやってきたミツバチたち

石井さんのトークに引き込まれて、飛び入りで聴講したラッキーなご近所の方も一緒に。観察の協力もしていただきました! ご協力ありがとうございます。

2020年5月28日 観察動画撮影の様子


ちょうどお天気もよく、日影が気持ちよいくらいのお天気に恵まれ、楽しい一日の観察会となりました。みなさんを連れて行かずに楽しんでしまって申し訳ないようでもありますが、映像をぜひ楽しみにしていただきたいと存じます。
この日 石井さんは 現地講座1回分よりも多いくらいの観察ネタを披露して下さいました(ひとりで話しっぱなしでしたからね、すみません)。しばらく観察会なども中止になってしまっていたので久しぶりにこんなに話しました!とのこと、お疲れになってしまったかもしれませんが、本当にありがとうございます。


今回撮影した画像は、1週間程度で編集したダイジェスト(もしくは部分)版の無料配信用を作成して、山の自然学チャンネルで一部を公開しますので、ぜひ楽しみにしていて下さい!
そして、その後、残りの映像は今後、教材等にも使用できるように、とりまとめ致します。講座等に遠方からで参加できなくなってしまった方に、まとめてお送りするなどの活用/対応も検討していきたいと考えています。また改めてご案内いたします。

ようやく 近く・少人数であればお出かけもしやすくなって参りましたので、今回の動画をぜひみなさんに活用していただこうと思います。

新型コロナウイルス感染症に関するご案内に関連して

当会では(当面)social distancing と physical distancingを使い分けます

社会距離拡大戦略(social distancing) は、感染症の拡散を停止または減速させることを目的とした医薬品を使わない感染抑制のための手段として使用されている言葉です。
それは、人と人との間に物理的な距離・接触機会・時間をおく/とることによって、人が密接な接触を行う機会を減少させる方策のこと となります。
典型的な方策として、他者から一定の距離を保つこと(目的となる対象・ウイルス、時と場合により距離の取り方等は変わってきます)や、大きなグループでの集まりを避けることがわかりやすい対応方法のひとつです。
社会距離を置く目的は、感染症のある人と感染していない人との接触の可能性を減らし、病気の伝染、罹患率、そして最終的には死亡率を最小限にすること となります。

日本語での表現としては、「社会(的)距離戦略」、「人的接触距離の確保」、「社会的距離の確保」、片仮名で転写した「ソーシャル・ディスタンシング」やわかりやすく言い換えて「人混みを避ける」などがあるようです。
これは、前記の social distancing(社会距離拡大戦略)を訳したり転用しているわけですが、
ここのところ 新型コロナウイルスの感染防止対策で「ソーシャルディスタンスを取りましょう」と案内(指示/要請)されているようです。

公衆衛生戦略分野で使用されている<social distancing>は本来この用語が使用されている
社会学用語としての<social distance>の訳語である社会的距離(ソーシャルディスタンス)とは本来はことなる概念であり、分けて考える・使用するべきものでもあると考えます。
日本語ではsocial distancingの訳語としても認知されてきており、英語でも物理的な対人間の距離を示す語としてあまり区別なく用いられることが多いようですが、社会的分断や人・集団・組織の区別につながる可能性もあり、この言葉の使い方には気をつけたいと考えます。

今回2019年から続く新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行期において 世界保健機関(WHO)は感染を防止するのはあくまで物理的な距離であり、人の社会的なつながりとは区別して考えるべき(注:かなり意訳/略していますので、正確な表現とは言えないかもしれません)という概念に基づき、「社会的」(social) 距離の代わりに「物理的」(physical) 距離という用語を用いるよう提案しています。
筆者はこの意見に強く賛同します。 したがいまして、今後、当会事務局としては この二つの用語は場面に応じて使い分けるようにしたいと考えています。
つまり 生き物同士(人と人を含む)の物理的な距離については physical distancingを使用します。日本語で話す場合は身体的距離、物理的距離などの言葉は言いにくいし、わかりにくいので、<ふぃじかるでぃすたんす>と当面は表現したいと考えています。(どちらもすでに広く使われていますので、他の方や団体が使用することに関して申し上げるものではありません。)

2020年5月29日記
特定非営利活動法人山の自然学クラブ副理事長 中村華子

2020年初_大蔵喜福理事長メッセージ

2019年会報・はじめに 世界中の氷河が無くなる!?

2020年初_大蔵喜福理事長メッセージ
山から始まる自然保護(当会年会報)19号 2020年5月発行 より

大蔵喜福理事長 巻頭言

世界中の氷河が無くなる!?

 地球は19世紀中頃までは比較的寒く安定した環境だった。産業革命後、化石燃料の排ガス放出で温暖化が始まり、今や温室効果ガス・二酸化炭素の世界平均濃度が(‘18年に)407.8 ppm に達し、産業革命当初の1.5倍となった。現在の外気温は、1850年から1900年までの50年平均を一気に1.1℃上回り、2011~2015年の5年間だけで0.2℃上回るとされている。昨年は1850年の記録開始以降最も暑く、北緯48度のパリでも夏、42.6℃を観測。地球全体の気温上昇は驚きの現況で、ここ数年来世界各地で、干ばつ、砂漠化、広大な山・森林火災、陸地の劣化、海水面上昇、凍土融解、氷山・氷塊の縮小、氷河後退・消滅・・・。わが国では台風発生率上昇、大水害、ゲリラ豪雨激甚災害が続き、昨年は箱根で1日に922.5 mmというとんでもない豪雨で、大被害をこうむった。温暖化が地球の大気運動の変化をも促していると言える。
 手をこまねいていると2050年までに最悪4.8℃上昇と推測される。たった数℃と思われるかもしれないが、年平均の地球外気温の変化は過去5000年間で4~7℃程度、氷期を除いてこれなら自然界の生物に大きな影響はでない。ところが100年で1℃上昇となると、これまで地球が経験してきた中で、極めて深刻な問題となる。森林、植物など植生の変化、動物、鳥や昆虫、はては微生物や細菌にまで行動や移動範囲の変動など大きく変わる。生態系の崩壊に繋がる大問題である。中でも森林火災は生態系が壊滅的な被害を受ける。ブラジル、オーストラリア、マレーシア・・・・・と広大な範囲が消滅、動植物は抹消された。特にブラジルは昨年1年間だけで、日本国面積の2割強を消滅。そしてわが国は年間外気温平均値を更新、観測史上最高の1.1℃上昇を記録、この100年で1.2℃上昇なのに、このまま何もしなかったら、今世紀末には東京が屋久島あたりと同じ亜熱帯となり、あと300年後にはアラスカにヤシが茂り、北極にワニが居ることになる。
 人類とその文明は、大自然からの恩恵なくしては成り立たないが、大自然を創りあげている生物のすべては、人類とその文明を全く必要としない。この大前提を思うと、自然破壊である温暖化はすべて人類の責任といえる。人は快適な住まいの中で温室効果ガスを排出しながら『大変なことになってきた』とつぶやく・・・。“人の営みが神を怒らせ罰を受けた”とは宗教的言い回しだが、科学的に言っても人の営みが自然現象の変化を呼び込む原因であることに違いはないのである。
 さて、こういった気候変動のきざしを探るには、人の営みのない極地や高々所の気象や氷河、氷床、高山の積雪などを調べるのが順当とされる。私は昨年まで30年間アラスカ・デナリ山(マッキンリー)の5,715 mに観測所を作り調査をしてきた。外気温のデータからは明らかに温暖化が表れている。特に氷河は目に見える変化として世界中に注目されている。20世紀中頃から氷河の後退が問題視され始め、世紀末ごろからは融解が一気に加速。その激しい温暖化が世界中の山々と氷河にどのような影響をもたらしたか?
 地球の低緯度・中緯度地域での氷河は、高山帯にある山岳氷河、頂上周辺に氷冠といった形で存在する。広域氷河を持つ地域として、ヒマラヤ、ロッキー、ヨーロッパアルプスなど、氷冠ではキリマンジャロケニア山などがある。これらの氷河は現在後退が観測され、特にアルプスでは消滅あるいは大幅な後退が確認されている。またヒマラヤとヨーロッパでは、氷河湖決壊洪水で下流域の村落に大きな脅威ともなっている。南極には大陸氷河・氷床、北極は氷海・氷山。海水温の上昇により北極は南極より気温は高く、大規模な融解は日に37億トンとも伝えられ、氷床の分離・崩落による漂流も報告され、海面上昇は1901年から2010年の間に19 cm、2100年には最大82 cmとなり、世界の4割の人々に影響を及ぼすといわれる。北極圏に近いアラスカやグリーンランドなどの沿岸部の大陸氷河は、凍土も融け氷河を支える力を失い、融解が一気に進む傾向だ。

ヨーロッパアルプス 2019

 スイス連邦工科大学雪氷学者マティアス・フス氏によると「1850年以降、推計では500本の氷河が完全に消滅した。そのうちの1割が著名な氷河」と指摘する。スイス氷河モニタリングネットワークによると「スイス国内氷河の8割近くが小規模で、約4000本が点在し、生み出される水は数百万人もが恩恵を受けている。」といい「温室効果ガス排出量を抑制しない限り、アルプスの氷河は今世紀末までに、ほとんど消滅するだろう」と警鐘を鳴らす。氷河の融解は人々の生活手段をも脅かしている。

キリマンジャロ5,895m 1989~2016

 赤道の直下にあるアフリカ最高峰は、世界で最も高いコニーデ型火山。地元の'13ガイドマップにはこう記されている。“氷河の表面は2000年に2.2 平方kmだけになり、1900年に12.2 平方kmあった頃から82%も後退しました(100年間に約1/6に縮む)。そして、主に地域性の高い気候変動と地球温暖化の影響のために、1962年に記録開始以来、1年につき半メートルも後退が続き、研究者は2015~2025年の間にキリマンジャロの氷河は消失すると予測しています。”年間降水量は、南からの季節風に直面する南斜面2,000 m以下で2,000~3,000 mm。しかし4,200 m以上のサドル高原では250 mmと劇的に減少、氷河の蓄積となる降雪は望めない。氷河面積150 平方km(東京ドーム3,000個分)を誇った最終氷期には、氷河の平衡線高度は南側で4,500 mあたり、北側で5,100 mとされ、現在の氷河面積の80倍ほど。今、約2 平方km以下である。頂上の気温も30年前は夜明けでマイナス15℃ほどだったが、今やマイナス10℃前後である。

キリマンジャロ頂上クレータ東のスタフェングレーシャー 1989年と2017年/大蔵撮影

ネパール アイランド・ピーク6,190 m 1995~2019

 昨年(2019年)3月、アイランド・ピーク登山で異常ともいえるような状況に遭遇した。頂上氷河はガレ場が表面化し、頂上へはロープにぶら下がりの登行、それまでの氷河ルートも危険がいっぱい、登ることが深刻な状況となっていた。エベレストをはじめ8,000 mの連なるクーンブ山群のローツェ峰直下、ヒマラヤ入門の山として世界中の登山者に愛されているこの峰は、このまま温暖化が進み氷河の崩壊が続くならば、数年のうちに誰も登らなくなるだろう。10年来、クレバス等少しずつ増えていたが、ここ数年に至っては1年毎に大きく変化、温暖化の波が押し寄せている。私の4回の登山経験が約10年毎なので写真で比較してみた。2001年までは変化は少ない。2009年ころより5,850 m以上の上部内院氷河の末端にクレバスが表れ始め、その後短いハシゴ等も使われ出したが、以前は全く危険なところはなかった。いずれにせよ氷河の衰退は幾多の登山ルートを難しくしていることに違いはない。

2001年11月のアイランド・ピーク ヘッド・ウォール/大蔵撮影

2019年3月のアイランド・ピーク ヘッド・ウォール/大蔵撮影

 私たち山を登り自然を学ぶ者たちは、自然の代弁者として、見て聞いて触り、大自然からのメッセージを、人々に伝える義務がある。自然保護とは人の奢った発想からくるもの、大自然に入り込んで何が起こっているかを知るべきで、保護のために立ち入りを規制する等は全く意味のない事である。気象変動への危機感は、生態系の崩壊、生物の絶滅という危機と同様に考えなくてはならない。自然に対し、依存度の高い人類もただでは済まないのである。『水・空気・エネルギー・食料・・・諸々』個々の身に直接及ぶ重大問題として、一人一人の意識改革をもって、温室効果ガス抑制に少しでも役立つ生活の工夫を考え、これからを乗り切っていきたいと思う。


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山の自然学カレンダー2020 5月・新燃岳火口内に咲くミヤマキリシマ

山の自然学カレンダー2020 5月・新燃岳火口内に咲くミヤマキリシマ

2020年5月「新燃岳火口内に咲くミヤマキリシマ(2011年噴火前の光景)」/黒木 康文

山の自然学クラブでは、2019年から「山の自然学カレンダー」を製作しています。会員から自然や自然保護に関する写真などを募集して、各自の研鑽に役立てていただく、また、活動のアピールをしていただく活動です。
2020年5月版は霧島ジオパークでガイドもされている黒木 康文さんからの応募作「新燃岳火口内に咲くミヤマキリシマ(2011年噴火前の光景)」が採用されています。


2020年5月/黒木 康文・新燃岳火口内

撮影:黒木 康文
撮影場所:霧島 中岳中腹
撮影年月日:2009年5月23日
撮影対象:新燃岳火口とミヤマキリシマ

添えられたテキスト:
霧島新燃岳は2011年1月に300年ぶりの大規模噴火を起こした。その前の2008年8月にも小規模噴火があり,火山活動の影響からか,2009年5月には以前の美しいエメラルドグリーンの火口湖は茶色に変色していた。火口縁の登山道には,硫化水素臭が流れてきていたが,火山に強いと言われるミヤマキリシマは火口内でも花を咲かせ,火山とともに生きていた。(新燃岳火口は2011年の大規模噴火以降,溶岩で埋まっている)



山の自然学カレンダーにこれまで応募された作品について、および 2020版(応募案内)についてはホームページをご参照下さい。

「山の自然学カレンダー2021」 については、2020年9月に作品の公募を行い、11月に作成する予定です。会員のみなさんは、ぜひ日頃気になった風景や景色、自然現象を記録していただき、すてきな作品を応募して下さるよう、お願いします!
製作したカレンダーは 一定以上のご寄附をいただいた方にお渡ししています。
詳しくは事務局へお尋ね下さい。

山の自然学カレンダー2020 4月・根尾谷の淡墨桜/春色満彩

山の自然学カレンダー2020 4月・根尾谷の淡墨桜/春色満彩

山の自然学クラブでは、2019年から「山の自然学カレンダー」を製作しています。会員から自然や自然保護に関する写真などを募集して、各自の研鑽に役立てていただく、また、活動のアピールをしていただく活動です。
2020年4月版は小林一義さんが岐阜県の根尾谷で撮影した薄墨桜の写真と、
池田昌史さんが春の裏磐梯で撮影した「春紅葉」の応募作が採用されています。

山の自然学カレンダー2020 4月

2020年4月(1)「根尾谷の淡墨桜」/小林一義

撮影:小林一義
撮影場所:岐阜県本巣市内根尾谷
撮影年月日:2019年4月9日
撮影対象:根尾谷の淡墨桜(彼岸桜 和名:エドヒガン)

添えられたテキスト:
岐阜県本巣市内根尾谷にある樹齢1500年のエドヒガンの大木。蕾(かすみ)のときは薄紅色、満開時は白色、散り際は淡い墨色に変わる。昭和23年頃枯死寸前になったが、シロアリ駆除、山桜の若根の残根への根接ぎ、施肥、消毒、支柱設置などにより、70余年も延命し、今も見事な花を咲かせる。蘇生と延命への関係者の弛まぬ努力と熱意、樹木の蘇生・延命技法の進展に、感動する。

2020年4月(2)「春色満彩」/池田昌史

撮影:池田昌史
撮影場所:裏磐梯 桜峠
撮影年月日:2019年5月9日
撮影対象:春の彩り(春紅葉)

添えられたテキスト:
日本の春は彩りが豊かで、カタクリ福寿草等のスプリング・エフェメラルから始まり、桃・杏・桜そして若葉の新緑が私たちの目を楽しませてくれる。晩春の裏磐梯の桜峠で、芽吹きの彩り“春紅葉”に遭遇した。春紅葉が見られる時期は短く、珍しい自然美との一期一会でした。


山の自然学カレンダーにこれまで応募された作品について、および 2020版(応募案内)についてはホームページをご参照下さい。

「山の自然学カレンダー2021」 については、2020年9月に作品の公募を行い、11月に作成する予定です。会員のみなさんは、ぜひ日頃気になった風景や景色、自然現象を記録していただき、すてきな作品を応募して下さるよう、お願いします!
製作したカレンダーは 一定以上のご寄附をいただいた方にお渡ししています。
詳しくは事務局へお尋ね下さい。

お知らせ/4月の行事について

お知らせ/4月の行事について

山の自然学クラブで予定していた 4月の行事2件の実施についてのご案内です。(4月1日・記載した内容に変更があったので、一部修正しました)

4月5日 井の頭公園

幹事役の吉川さんから、
4月5日に予定していた井の頭公園でのお花見会について
 東京都が公園の宴会利用をしないようにとの案内をしていることから、中止することになりました。
 残念ですが、桜の花は各自で楽しむことに致しましょう。

こちらのご案内を頂きました。残念な気持ちがにじみ出ています;
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4月11日 景信山

こちらも 懇談会行事ですが、4月11日に日程を変更して実施する予定でした、景信山でのお餅つきですが、幹事の秦さんから 参加者からキャンセルもあり、実施の目途がたたなさそうだとのご連絡を頂きました。
ということですので、今回の開催は見送ることに致します。

今後の懇談行事について

今後の 懇談行事の企画については 順次 検討していきたいと思います。
なにとぞご了承の上、アイデア、企画のご提案 お待ちしています!

最近は屋外の施設などについても閉鎖されたりするなど、なかなか予定のたてにくい状況が続いていますので、行事の実施方法などを含めて 変更があり次第 適宜ご案内したいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。


なお、「山の自然学講座2020」 については、日程を延期する等 状況に応じて変更することにさせて頂きますが、中止にはせず、全回の講座を何らかの形で実施する予定です。変更事項は各講座のサイトをご覧頂けばわかるようにご案内を致しますので、そのようにご了承ください。
http://www.shizen.or.jp/basic/index.html
ご都合に合わせて ぜひご参加下さい。
また、ご不明なこと、振り替え受講の問い合わせなどは随時対応させていただきますので、気軽にご連絡下さいましたら幸いです。

2020年・3月11日に思うこと

3月11日によせて・2020年

東北地方太平洋沖地震から9年が経ちました

3月11日の 数日前にこの記事を書いています。今回は予約投稿機能を使って、3月11日の投稿に設定しました。
今年は令和2年・2020年になりました。

ここしばらくの期間、今年からの会での取り組みについて、そして自身の研究や活動について考え、取り組み始めています。
2011年の震災から9年も経ってしまったのだと、おもいはいろいろです。時間が止まったように思ったことも、時代がさかのぼってしまったのではないかと思ったことも、たびたびありました。そしてもっと自分にできることはないのだろうかとも考え続けてきました。
三陸地域での活動に限ったことではありませんが、これまで「山の自然学クラブ」の活動が継続できたのは、なにより、会を支え、楽しく一緒に行動してきた仲間があってのことと考えます。退会されるなど、現在は会に参加していらっしゃらない方を 含めて、一緒に行動してきた仲間たちに、なにより感謝したいと思います。
山の仲間はいつでも行動がしっかりしています。自分も前向きになることができる仲間がいてくれて本当によいものだ と この会に入ってからじんわり、そして心から思うようになりました。

さて、弱冠のおもいおもいが入らざるを得ない毎年この日ですが、
2001年に法人となった「山の自然学クラブ」は2020年、創立から20年の節目となります。大蔵さんを中心に、20年を記念できるような行事・活動を考えていく予定です。
楽しい仲間達と さらに前向きに取り組むことができるような活動を考えていきたいと思います。


2020年になりましたが、3月11日を迎えるにあたって 2011年の年末、会報第11号の製作がほぼ終わった頃に大蔵さんと一緒に考えた文章を読み返しました。会として、自然と仲間と共にありつつ、自然保護を実践するものの立場から考えることは、この言葉につきます。省察をかね、あらためてここに記したいと思います。

会報11号巻頭のことば・大蔵喜福理事長

(テキスト)2011年12月
ご親戚、ご友人含め、東日本大震災はじめ今年発生した災害により被災されたみなさまに、謹んでお見舞い申し上げます。
自然に携わる活動をする人間のひとりとして、今年発生したたくさんの自然災害や事故の報に接し、悲痛な思いを禁じ得ません。会としてできる事を整理しながら、今後も活動を検討していきたいと考えております。

震災やその後の輪番停電の混乱などにより、残念ながら当会においても、予定していた活動や行事の多くが実施を見合わせたり延期したりすることを余儀なくされました。

当会はもともと、「山から始まる自然保護」をモットーに、“自然に学び、自然を守る”活動をしてきました。「これまで行ってきた活動をきちんと責任を持って続けることが、一番の復興活動である」ことが基本方針です。加えて、現地講座や活動をできるだけ被災した地域で行うなど、復興支援にも寄与する活動を積極的に支持します。それぞれの会員・理事が積極的に活動して下さることを会としてもバックアップしていきます。また、現地で活動を行っている環境保護関連の団体や教育機関と積極的に連携をとりながら、活動を継続したいと思います。
多くの災害や事故、そして電力不足に悩まされた今年一年でしたが、会員ひとりひとりの意識と行動の結晶として、この会報11号を発行できることを誇らしく思います。これからも大切な仲間と共に歩む会であり続けます。会員諸氏のますますの活躍を期待致し、発行のことばと致します。

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2017年に NTT東日本が「震災から芽生えた想い × NTT東日本の想い」という動画を作成しました。2018年に公開されたようです。現地のみなさんのためになればと思って、取材に少し協力いたしましたが、当会のPRのためのものではありませんので、公開時には理事会で報告したくらいで、とくに広くアナウンスはしませんでした。

が、たまたま先日 ホームページを見ていたら結構しっかり画像を残して下さっていて、ありがたいなと思いました、というのと、やはり「活動はまだまだこれから!」という自分の気持ちを新たにしましたので、ブログでも掲載場所をご案内(?明記?)することにしました。映像は仙台沿岸の「森の防潮堤」の活動をしている陶山さん達の活動と、海べの森をつくろう会さんと山の自然学クラブで進めている地域の植物を育てる活動 を紹介して下さっている内容です。
サイト内で変更があるかもしれませんので、リンクははりません。
お時間のあるときに見ていただけると嬉しいです。

NTT東日本 WEBサイト > 企業情報 > 広報宣伝活動 > EASTギャラリー > 人の想いは、つながっていく
2018年公開映像

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(Webサイトのキャプチャ画像です)