山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

宮城・南三陸で自然観察-三陸現地講座・2018年秋!

自然観察会・三陸現地講座~2018年・秋!

2018年10月13日~14日は三陸現地講座
「秋の森を歩こう!三陸・で・自然学~Oct,2018」を開催しました。開催概要についてはホームページのご案内をご参照下さい。
森や樹木・植物の観察会 石井誠治さんにご指導頂く観察会を開催!
http://www.shizen.or.jp/tohoku/excursion/sch20181014.html

10月13日

○ 10時に仙台駅に集合して、出発!
○ 閖上地区~岡田地区の海岸林 見学
○ 古川・大崎方面に移動 有備館岩出山城跡などの見学
○ 蕪栗沼周辺へ マガンのねぐら入りを観察 ※ 日の入り 17:09
 蕪栗沼では蕪栗ぬまっこくらぶの戸島さまがご案内下さいました。

10月14日

○ 蕪栗沼で朝の一斉飛び出しを観察 ※ 日の出 5:46
 ~気仙沼へ移動 海べの森をつくろう会事務所にて現地参加のみなさんと集合
海べの森をつくろう会スタッフ・現地集合のみなさんと一緒に観察会を実施。周辺の植物と森の観察会です。
○ 午前:森の美しい 徳千丈山などを中心に観察
○ 午後:岩井崎で、海岸のマツを観察。以前、海べの森をつくろう会が植樹したマツの状況なども調べて観察します。その後、波路上「海べの森をつくろう会」活動地の屋敷林・果樹植栽地で観察。
気仙沼の観察会は、海べの森をつくろう会さんにプログラム協力をして、これまで何回か実施してきている観察会です。

ご協力いただいたみなさまのおかげで 忙しくも楽しい、盛りだくさんの2日間を過ごすことができました。

2018年10月13日 仙台沿岸から大崎へ

午前中、仙台市名取市の岡田新浜、荒浜、閖上地区付近の海岸を回って、海岸林の状況などを観察しました。

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貞山堀を見下ろし、海・太平洋~仙台市内も一望にする、見晴らしのよい仙台市若林区の海岸公園へ。冒険広場等が再整備され、2018年7月に再開したばかりです。
冒険遊び場(プレーバーク)にはプレーリーダーが常駐していて、子ども達がのびのびと遊べるようになっています。デイキャンプ場にはバーベキューや芋煮会を行えるサイトがつくられています。たくさんの家族連れで賑わっていました!
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その後閖上まで足を伸ばしました。日和山閖上湊神社・富主姫神社)に登ってお参り。名取川の河口周辺を見渡すことができます。
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毎週日曜日にはゆりあげ港朝市が開催され(2013年5月から再開!)、たくさんの人が訪れることで知られています。この日も賑やかにイベントが開催されていました。

午後は古川・大崎方面へ移動して、伊達家の居城であった岩出山城跡と、城下にある有備館を見学しました。
岩出山有備館周辺は伊達政宗が1591年に米沢から移り住んでから1601年に仙台青葉城へ行くまで居城となっていたといいますが、その後も岩出山伊達家の屋敷として使われていたのだそうです。
石井さんのご案内でゆっくり庭園内を観察しました。
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有備館の庭園は素晴らしいところです。石井さんオススメ?の理由がよくわかりました。
大崎市の解説によると「岩出山城本丸の断崖を借景として池中に島を配した廻遊式池泉庭園」として説明されています。1715年ころから整備されたと考えられるそうで、長い年月使われてきていますので、歴史を感じられる造作、植物がたくさん育てられ、守られています。

これ、キヅタです!こんなになるのに、いったい何十年かかるのでしょう。何十年でできるのかな?・・あまり想像つかない姿です。石井さんがいつもおっしゃっているとおり、人と植物の長い関係を感じさせてくれるたくさんの植物が、歴史を思い起こさせてくれ、あたたかい気持ちにさせてくれます。庭、とはそういうものでもあるに違いありません。

2018年10月13日 蕪栗沼での渡り鳥観察会・雁のねぐら入り

夕方に蕪栗沼へ、マガンなどのねぐら入りを観察するのが目的です。
宮城県には北部の平野部直径15kmほどの圏内に3つのラムサール条約湿地があります(!)が、コンパクトで観察しやすいこともあり、蕪栗沼は人気のあるスポットとして知られています。蕪栗沼の一帯はかつて湿地状の環境でしたが、伊達藩の時代から新田開発が行われ、水田がつくられた際に用水路・排水路として何キロメートルにもわたる水路が築造されたそうです。
マガンは夜は沼で休息し、昼は水田で食事をしています。いずれも夏季にユーラシア大陸北部などで繁殖し、冬季になると日本列島にやってきて越冬する渡り鳥であるコクガン、マガン、ヒシクイですが、生息数が減少し、1970年代に天然記念物に指定されています。
マガンとの共生と越冬地の分散化を目指して、稲刈り後の田んぼに水を張って、沼のような環境を作る「ふゆみずたんぼ」という取組が、蕪栗沼周辺の農家の協力を得て進められているそうです。
蕪栗沼では、
「蕪栗ぬまっこくらぶ」さんが地元での保全・管理を担っていらっしゃいます。
蕪栗ぬまっこくらぶ http://www5.famille.ne.jp/~kabukuri/
くらぶでは、水位の調節、周辺環境の整備など、多岐にわたる重要な活動を担われています。

少し前にご連絡を申しあげたところ、ぬまっこくらぶの戸島様が、現地でご案内をして下さいました!突然のお問い合わせにも拘わらず、ありがとうございます。
この頃ならここが一番よく観察できるよ、という場所を教えて頂き、みんなでお話を伺いながら鳥がやってきたりするのを眺めます。野鳥のことがそれほど詳しくない当会メンバーですが、戸島さんからは鳥の生態に関するたくさんのお話しを詳しく伺うことができ、本当に楽しく観察会ができました。
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まだまだこれから増えるのだと思いますが、お天気にも恵まれ、この日も素晴らしい光景でした!

2018年10月14日 蕪栗沼での渡り鳥観察会・雁の飛び出し

前日に、戸島さんに「朝はどこで観察するのがいいでしょうか?」と伺ったところ、この時期は風向きの関係でやっぱり夕方と同じところが観察しやすいと思いますよ、とのアドバイスでしたので、場所もわかったことですし、同じ場所へやって参りました。
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賑やかな鳥たちの朝、これまた素晴らしい光景を目にすることができました。一同感激!です。

・・さて、この日は第二部へ「三陸・で・自然学 ~Oct,2018」へ取りかかる日です。
 冷えた体を温かい飲み物で暖めてから、気仙沼へ移動致しました。

ご案内いただいた ぬまっこっくらぶの戸島さま、ご一緒いただいたみなさん、どうもありがとうございます。本当に充実した一日となりました。