山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

金環日食

今日は旧・卯月朔日。つまり新月です。
今日は特別な新月です!太陽と月が重なり、金環食になりました。
けさ、新宿区から見た日食の様子です。

雲の間から、きれいに見えます。これなら、日食グラスは必要ありません!

日食グラスを通してみました。

きれいですね〜 太陽との距離も感じます。
金環食に近くなると少しひんやり感じました。太陽の恵みを感じる瞬間でもあります。
今日は素晴らしい体験を、都心に居ながらにしてできました。
うれしい月の滑り出しです。

金環日食が日本で観測されるのは、1987年沖縄以来25年ぶりですが、
全国広い範囲で見られるのは、1080年・平安時代以来のことで、次回
東京で見られるのはちょうど300年後の2312年です。

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ちなみに、これほど広い範囲で見られたのではないですが、歴史に名の残る日食と言いますと、寿永二年(1183年)閏十月一日の<水島の合戦>の日食が有名です。

「天俄に曇て日の光も見えず、闇の夜の如くに成たれば、源氏の軍兵共 日蝕とは知らず、いとど東西を失て舟を退て、いづち共なく風に随つてのがれゆく。平氏の兵共は兼て知にければ、いよいよ時を造り重て攻め戦う。  /源平盛衰記より

このときも金環食ですので、それ程暗くなったとは思えないですが...
日の陰や雲間の日が輪のようになって、不思議な感じにはなったことでしょう;

今日の日食でも、雲をすかしてみると欠けた太陽が肉眼でわかりますし、空気がひんやりしてきますので、海上にいれば風向きが変わったりもするでしょう。いろんな不思議(に見える)なことが起こります。
気象や天体の知識を駆使した歴史上の人物と言えば、諸葛孔明のような著名な方もいますが、日本にもこんな歴史があることを、もっと知ってもらえたらと思います。
自然科学の知識を身につけることが、いろんなことに役立つことの一例であると思います。