山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

山の自然学講座2018の最終回

山の自然学講座2018 無事に終了しました

2018年11月10日 最終回・大蔵理事長の講義と終了式

今年も10回シリーズで実施しておりました、山の自然学・連続講座2018年 が最終回となりました。
大蔵理事長からの最終回の講座テーマは「アウトドアで考える危機管理と自然学」です。が、最初はまず、長年継続してきたアラスカのデナリ(マッキンリー)での気象観測の体験と成果についてお話し下さいました。いろいろな経緯や体験があったことを伺います。アウトドアのスペシャリストの大蔵さんのお話はどこをとっても体験に基づいた説得力があります。しかし、なんと言っても、「現地での活動を継続しないと取れないデータがあるのだ」と言うことを強く感じさせてくれる、山の自然学ここにあり、というお話に毎回の事ながら感慨を持つことのできる時間でした。

今回が2018年の講座の最終回となりますので、最後に今年の講座を全課程お申し込み下さったみなさんに、大蔵理事長から、修了証を手渡しして、今年の「山の自然学講座2018」は打ち上げとなりました。

ご協力下さったみなさん、ありがとうございます!

講義終了後には、自由参加で交流会「山の自然学を語り合おう!」を行いました。山の自然学講座の講師をして頂いている目代先生、森先生、下野理事がいらして下さり(ありがとうございます!)、講義の感想などを聞いているのも印象的でした。この日は山の自然学クラブの会員や役員も何人か参加させていただき、日ごろの活動や考えについて楽しく語り合うことができました。

2019年も概ね同じ様な内容にて 10回シリーズの「山の自然学講座2019」の実施を予定しています。
第1回は2019年2月2日の午後、エコギャラリー新宿にて 恒例の
小泉武栄先生による「山の自然学とは」をメインテーマに、開講します!

小泉先生は楽しい語り口で、日本を始めとする山や自然の魅力を説明して下さいます。先生の最近の関心事などを含めて幅広くお話を伺えるとお思います。
氷河時代と日本の風景、モンスーン気候と日本列島、火山列島にある美しい山並み、東京都等々低地にまで分布している高山植物、など、楽しい話を伺えると思います。

近日のうちに、全日程のご案内をできるように、準備を進めています。
決まりましたらご案内させて頂きます。また2019年もたくさんの方と山と自然の楽しさを共有できるように、と考えています。お楽しみに!

三陸現地講座・2018年10月13日~14日仙台周辺~気仙沼

三陸現地講座・2018年10月 森と植物の観察会

2018年10月13日~14日は三陸現地講座「秋の森を歩こう!三陸・で・自然学 ~Oct,2018」を開催しました。開催概要についてはホームページのご案内をご参照下さい。
http://www.shizen.or.jp/tohoku/excursion/sch20181014.html

2018年10月14日 気仙沼・徳仙丈山と岩井崎で「森と植物の観察会」

この観察会は、海べの森をつくろう会が現地のみなさんを対象に企画する生涯学習活動に、プログラムを提供して、行っている観察会です。今回は石井誠治さんのご指導を頂き【森と植物の観察会 ~樹木ハカセ・石井先生と秋の森を探検しよう!】として行いました。

○ 午前:森の美しい 徳千丈山などを中心に観察
○ 午後:岩井崎で、海岸のマツを観察。以前、海べの森をつくろう会が植樹したマツの状況なども調べて観察します。その後、波路上「海べの森をつくろう会」活動地の屋敷林・果樹植栽地で観察。

10月14日 徳仙丈にて

午前中は、徳仙丈にて森の観察会です。何度か来ているこの森ですが、季節が変わるとみられるものが変わりますので、何回来ても新鮮な気持ちです。渓流沿いの明るい森で、気持ちのよいハイキングでもあります。
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10月14日 岩井崎にて

午後は岩井崎で植物の観察をしました。岩井崎には立派なマツが生育しています。その中に、海べの森をつくろう会が2015年11月にクロマツの植樹をしています。植樹したマツの状態なども観察しました。岩井崎は石灰岩の岬で土壌が発達しているわけではないので、植樹の時に使ったような大きな苗を植栽しようとしても、あまり大きな植え穴は掘れません。倒れてしまっている苗もありましたが、元気に育つ稚樹も見られます。その違いなどについても、石井さんからお話を伺いながら考えてみました。
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足下ではコハマギグがきれいな花を付けています。周囲にはハマギクもたくさんあって、ちょうど見頃でした。三陸復興国立公園の指定植物にも指定されています。海べの森をつくろう会でも、ハマギクを育て、増やしています。工事が終わったら海岸に植栽して、海べに彩りを取り戻したいと思います。
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海岸の変化なども観察し、そのあと 海べの森をつくろう会の事務所・活動地周辺でもいろんな植物などを観察しました。第1回の植樹地は植えた木々がこんなに大きくなりました。
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今回も石井さんにはたくさんのお話を聞かせていただきました。気仙沼に行き始めて8年目、当会のメンバーもだいぶなじんだ土地となって、いろんなことを見たり知ったりすることができていると思います。これからも地域の自然を掘り下げ、大切な自然環境、地域の宝物を守っていく活動を続けていきたいと思います。

観察会を実施して下さった海べの森をつくろう会のみなさま、参加して下さったみなさま、そして指導して下さった石井誠治さん、ありがとうございます。

宮城・南三陸で自然観察-三陸現地講座・2018年秋!

自然観察会・三陸現地講座~2018年・秋!

2018年10月13日~14日は三陸現地講座
「秋の森を歩こう!三陸・で・自然学~Oct,2018」を開催しました。開催概要についてはホームページのご案内をご参照下さい。
森や樹木・植物の観察会 石井誠治さんにご指導頂く観察会を開催!
http://www.shizen.or.jp/tohoku/excursion/sch20181014.html

10月13日

○ 10時に仙台駅に集合して、出発!
○ 閖上地区~岡田地区の海岸林 見学
○ 古川・大崎方面に移動 有備館岩出山城跡などの見学
○ 蕪栗沼周辺へ マガンのねぐら入りを観察 ※ 日の入り 17:09
 蕪栗沼では蕪栗ぬまっこくらぶの戸島さまがご案内下さいました。

10月14日

○ 蕪栗沼で朝の一斉飛び出しを観察 ※ 日の出 5:46
 ~気仙沼へ移動 海べの森をつくろう会事務所にて現地参加のみなさんと集合
海べの森をつくろう会スタッフ・現地集合のみなさんと一緒に観察会を実施。周辺の植物と森の観察会です。
○ 午前:森の美しい 徳千丈山などを中心に観察
○ 午後:岩井崎で、海岸のマツを観察。以前、海べの森をつくろう会が植樹したマツの状況なども調べて観察します。その後、波路上「海べの森をつくろう会」活動地の屋敷林・果樹植栽地で観察。
気仙沼の観察会は、海べの森をつくろう会さんにプログラム協力をして、これまで何回か実施してきている観察会です。

ご協力いただいたみなさまのおかげで 忙しくも楽しい、盛りだくさんの2日間を過ごすことができました。

2018年10月13日 仙台沿岸から大崎へ

午前中、仙台市名取市の岡田新浜、荒浜、閖上地区付近の海岸を回って、海岸林の状況などを観察しました。

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貞山堀を見下ろし、海・太平洋~仙台市内も一望にする、見晴らしのよい仙台市若林区の海岸公園へ。冒険広場等が再整備され、2018年7月に再開したばかりです。
冒険遊び場(プレーバーク)にはプレーリーダーが常駐していて、子ども達がのびのびと遊べるようになっています。デイキャンプ場にはバーベキューや芋煮会を行えるサイトがつくられています。たくさんの家族連れで賑わっていました!
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その後閖上まで足を伸ばしました。日和山閖上湊神社・富主姫神社)に登ってお参り。名取川の河口周辺を見渡すことができます。
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毎週日曜日にはゆりあげ港朝市が開催され(2013年5月から再開!)、たくさんの人が訪れることで知られています。この日も賑やかにイベントが開催されていました。

午後は古川・大崎方面へ移動して、伊達家の居城であった岩出山城跡と、城下にある有備館を見学しました。
岩出山有備館周辺は伊達政宗が1591年に米沢から移り住んでから1601年に仙台青葉城へ行くまで居城となっていたといいますが、その後も岩出山伊達家の屋敷として使われていたのだそうです。
石井さんのご案内でゆっくり庭園内を観察しました。
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有備館の庭園は素晴らしいところです。石井さんオススメ?の理由がよくわかりました。
大崎市の解説によると「岩出山城本丸の断崖を借景として池中に島を配した廻遊式池泉庭園」として説明されています。1715年ころから整備されたと考えられるそうで、長い年月使われてきていますので、歴史を感じられる造作、植物がたくさん育てられ、守られています。

これ、キヅタです!こんなになるのに、いったい何十年かかるのでしょう。何十年でできるのかな?・・あまり想像つかない姿です。石井さんがいつもおっしゃっているとおり、人と植物の長い関係を感じさせてくれるたくさんの植物が、歴史を思い起こさせてくれ、あたたかい気持ちにさせてくれます。庭、とはそういうものでもあるに違いありません。

2018年10月13日 蕪栗沼での渡り鳥観察会・雁のねぐら入り

夕方に蕪栗沼へ、マガンなどのねぐら入りを観察するのが目的です。
宮城県には北部の平野部直径15kmほどの圏内に3つのラムサール条約湿地があります(!)が、コンパクトで観察しやすいこともあり、蕪栗沼は人気のあるスポットとして知られています。蕪栗沼の一帯はかつて湿地状の環境でしたが、伊達藩の時代から新田開発が行われ、水田がつくられた際に用水路・排水路として何キロメートルにもわたる水路が築造されたそうです。
マガンは夜は沼で休息し、昼は水田で食事をしています。いずれも夏季にユーラシア大陸北部などで繁殖し、冬季になると日本列島にやってきて越冬する渡り鳥であるコクガン、マガン、ヒシクイですが、生息数が減少し、1970年代に天然記念物に指定されています。
マガンとの共生と越冬地の分散化を目指して、稲刈り後の田んぼに水を張って、沼のような環境を作る「ふゆみずたんぼ」という取組が、蕪栗沼周辺の農家の協力を得て進められているそうです。
蕪栗沼では、
「蕪栗ぬまっこくらぶ」さんが地元での保全・管理を担っていらっしゃいます。
蕪栗ぬまっこくらぶ http://www5.famille.ne.jp/~kabukuri/
くらぶでは、水位の調節、周辺環境の整備など、多岐にわたる重要な活動を担われています。

少し前にご連絡を申しあげたところ、ぬまっこくらぶの戸島様が、現地でご案内をして下さいました!突然のお問い合わせにも拘わらず、ありがとうございます。
この頃ならここが一番よく観察できるよ、という場所を教えて頂き、みんなでお話を伺いながら鳥がやってきたりするのを眺めます。野鳥のことがそれほど詳しくない当会メンバーですが、戸島さんからは鳥の生態に関するたくさんのお話しを詳しく伺うことができ、本当に楽しく観察会ができました。
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まだまだこれから増えるのだと思いますが、お天気にも恵まれ、この日も素晴らしい光景でした!

2018年10月14日 蕪栗沼での渡り鳥観察会・雁の飛び出し

前日に、戸島さんに「朝はどこで観察するのがいいでしょうか?」と伺ったところ、この時期は風向きの関係でやっぱり夕方と同じところが観察しやすいと思いますよ、とのアドバイスでしたので、場所もわかったことですし、同じ場所へやって参りました。
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賑やかな鳥たちの朝、これまた素晴らしい光景を目にすることができました。一同感激!です。

・・さて、この日は第二部へ「三陸・で・自然学 ~Oct,2018」へ取りかかる日です。
 冷えた体を温かい飲み物で暖めてから、気仙沼へ移動致しました。

ご案内いただいた ぬまっこっくらぶの戸島さま、ご一緒いただいたみなさん、どうもありがとうございます。本当に充実した一日となりました。

年会報 「山から始まる自然保護」18号の原稿募集

年会報 「山から始まる自然保護」18号の原稿募集

山の自然学クラブ会報編集委員会より

 皆さまお元気で様々な活動にご精励の事と存じます。
 さて今年も、会報原稿を募集する時期になりました。クラブの会報は、会の活動と行事を記録保存する場であると共に、皆さまの活動、研究、想いの発表の場でもあります。活動などの発表のほか、挿絵、写真なども、奮ってお寄せ下さい。山と自然に関する内容でしたら、原稿種別は問いません。皆さまの原稿を心よりお待ちしております。
 締め切りは11月末です。(締め切り以降の投稿は次号に掲載させて頂きます)
 下記に募集のご案内を記します。当会の活動担当の方で報告原稿を書いて下さる方には原稿フォーマットをメールでお送り致します。ご不明なことなど、お気軽に編集担当までお知らせください。

お問い合わせ・送り先: 編集担当(池田昌史理事)もしくは 当会事務局でも受けつけます。


1. 原稿の種別

1)『研究と活動の報告』(1)当クラブ行事としての研究と活動に関するもの
2)『研究と活動の報告』(2)会員各自の研究と活動で当会報に掲載を可とするもの
3)『現地講座の報告』『講義録・室内講座の報告』 山の自然学講座の報告・記録
4)『講座参加の感想』 指導員の方からの自己紹介、活動のアピールなど
5)『山の自然学指導員』
6)『随想』『紀行』『たより』『ことば原っぱ』『図書紹介』
 ※種別にかかわらず原稿は受けつけます。また、種別はご自分で明記しなくても結構です。

 ※ 種別1)と3)は原則としてページ制限は設けませんが、できるだけコンパクトにまとめていただけますよう、ご協力をお願いします。1)と3)以外の原稿は原則として3ページまでで作成して下さい。原稿を提出して頂いた後、編集担当にてページ構成をして著者の方に校正をお願いします。その際にページ超過した場合はご相談申しあげますので、ご協力下さい。

2. 原稿の書き方(報告類は2段組み書式です)

(1) 『研究と活動の報告』『現地講座の報告』『参加の感想』『講義録』
 データはMS-Wordの2018年版「原稿フォーマット」に書き込んで作成するか、テキストと図表に分けて送付してください。pdfファイルかプリントアウトした見本を添付してくださいますと助かります。フォーマットを使用しないで作成して頂いた原稿は、編集担当が会報書式に変更致します。その場合、頂いた原稿とレイアウトが変わりますがご了承下さい。必要に応じて著者の方と確認作業、ご相談させて頂きます。
(2) その他の原稿
 頂いた原稿を編集担当で調整して掲載します。写真はカラー口絵などにも使用しますので、別ファイルでもお送り下さい。報告類はフォーマットに合わせて作成して掲載されます。その他の原稿は任意の形式で作成した原稿をお送り下さい。構成を編集委員会にて行い、著者校正をお願いした上で掲載致します。

3. 原稿の返却と校正

 原稿は原則として返却しません。返却が必要な場合は投稿の際にあらかじめご連絡下さい。

4. 挿絵用のカット・写真について

会報の余白に使用するカットや写真などをいただければ、適宜使用させていただきますので、ぜひお寄せ下さいますようお願い申し上げます。こちらはいつでも編集担当にお申し出下さい。使い方(使用する場所や大きさ)は誌面の都合に合わせて、編集担当の方で決めさせていただきますが、ご希望や指定などがありましたらお知らせください。

原稿作成についてのご案内とお願い / 「山から始まる自然保護」編集委員会

 会の活動と行事の報告については、編集担当よりお送りするフォーマットを使用して、そちらに書き込んで下さい。フォーマットを使用しないで作成して頂いた原稿は、レイアウトをし直しますので、図表の位置、サイズ、ページ区切りの場所などが変わる可能性があります。それ以外の原稿については任意の原稿を頂いた後に編集担当で印刷用原稿を作成致します。作成後、著者の方にみて頂きますので、その際にご意見がありましたら伺いますので、どうぞご了承下さい。
※全体のページ数に限りがありますので、内容に差し障りのない範囲での図表の縮小、表現の簡素化などをお願いする場合があります。その際には編集委員からご連絡差し上げますので、ご協力を賜りますよう 何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。

執筆の際の注意点

1. 原稿の体裁、書き方に関する注意点
原稿はA4縦用紙で作成して下さい。手書きでも構いませんが、その場合はご相談下さい。
原稿に応じて一段組もしくは二段組にて原稿を作成します。
<基本的な書式の設定>
 マージン: 上下23 mm、左右22 mm
 ページ設定: 42字×43行 文字11ポイント
 2段組: 1行22文字×43行 段間3.5文字 (一段組の場合は47文字×43行)
 本文のフォント: 11ポイントの明朝体、欧数字は半角、欧文フォントを使用する
 タイトル: 行間2~2.25行 14ポイントのメイリオ体(文字数が多い場合は12ポイント)
適宜副題をつけてもよい(副題は12ポイント)
 著者・報告者: 12ポイントの太字ゴチック(MS-ゴシック太字)

2. 図表について:データ貼付か投稿時に添付してください。
 ※写真はカラー口絵などにも使用しますので、別ファイルでもお送り下さい。

 (1) 拡大・縮小はできます。1段もしくは2段ぶち抜きサイズ。
 (2) 提出方法:データに貼り付けるか、挿入場所を明示して添付してください
 (3) 表題:図表にはできるだけ表題、通し番号を付けてください

3. その他
その他必要な事項は編集担当者からご連絡しますのでご協力下さい。

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「山の自然学」2019年カレンダー作品募集!

「山の自然学」2019年カレンダー作品募集!

応募期間:2018年10月1日~31日
自然の魅力、奥深さ、などを伝えるボランティアでもあります!ぜひご協力ください

2018年の総会で新規事業としてご承認いただきました、2019年のカレンダーについて、作品募集のご案内を理事会にて作成致しましたので、ご案内申しあげます。
ぜひたくさんのみなさんからの応募をお待ちしています。
ご不明なこと、心配なことなどありましたら お気軽にご連絡下さい。

どうぞよろしくお願い申し上げます。


 あなたが体験した山の不思議、自然の魅力・姿をカレンダーやウェブサイトでみんなに伝えませんか。カレンダー「山の自然学」を飾る写真(イラスト等も可)を大募集します。日ごろの活動の記録や、写真を通して自然の魅力、奥深さ、などを伝えるボランティアにご協力ください。入選・落選にかかわらず、応募作品は原則として無償で当会の会報、ウェブサイト、SNS、パンフレット、講演資料などに積極的に使用させて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします。
 ※撮影者の著作権は保持されます。使用にあたりご連絡いたしませんが、撮影者名を明記します。また、明記できない使用方法の場合は撮影者に事前にご相談申しあげます。(製作者が退会された場合、著作権は山の自然学クラブに移行させて頂きます)

応募資格: 山の自然学クラブ会員もしくは理事会が推薦する方
カレンダー仕様: 2019年4月~2020年3月 もしくは2019年3月~2020年4月
   A5変形サイズ (価格850~900円を予定)
   13点/15点を選出
カレンダー仕上がり予定:2019年1月

応募の条件:
(1) 未発表作品。(当会の報告類や個人のブログ、ウェブサイトなどに掲載されたものは可)
(2) 作品のトリミング、変形、合成は不可(素子写り込みごみ取り可)。
(3) 表紙に採用された場合は、表紙サイズに、本文用に採用された場合は、
 使用サイズに合わせトリミングして掲載させていただきます。
(4) 動植物の野生個体を主題とする写真は、餌付けや立ち入り禁止区域での
 撮影など、自然に悪影響を与える方法で撮影したものは不可とします。
(5) 顔が分かる状態で人物が写っている場合は、応募前に許可をとってください。
(6) 応募作品は返却いたしません。

応募の方法:
 ※作品がイラスト等の場合は、応募方法等についてご相談下さい
(1) フィルムカメラデジタルカメラによるもの、いずれも可。
 デジタル写真データ タテ2000ピクセル、ヨコ3000ピクセル以上での
 応募を原則とします。
 Webフォームからの応募、もしくはCD-R、DVD-R に入れて応募提出してください。
 (フィルムカメラでの撮影の場合、デジタル化して応募して下さい)
(2) ファイル転送サービス/メールによる送信か 郵送(下記参照)でお送りください。
(3) 応募数:応募は一人5点まで。
 ※入賞(掲載)は応募者一人につき1点までとします
(4) 応募者について
 ①応募者/撮影者名、②〒・住所、電話、Eメール  を、
 応募作品について それぞれ 
 ③タイトル(被写体名など)、④撮影場所、⑤撮影年月日、
 ⑥分かれば植物種名など、⑦200字ほどで自然にまつわる説明や撮影エピソード、
 をお知らせください。

結果発表: 入賞作品は11月の理事会で決定します。
★年会報「山から始まる自然保護」に応募作品と選考の概要を掲載します。
★2月に開催する定時総会と同日に「公募作品展:山から始まる自然保護2019~カレンダー応募作品展覧会」を開催します。この際に、応募作品全点を印刷して展示します。
★また、展覧会の展示制作を元にデータを整理して、当会のウェブサイトにて翌年以降、応募作品を全て掲載します。

送付先:山の自然学クラブ 事務局 (担当:中村)

googleにログインできる方は応募フォームからお願いします
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※複数応募の際はファイル転送サービスを利用して頂けると助かります
 住所: 〒160-0015 新宿区大京町25 高橋ビル402緑化工ラボ内
 電話:03-3341-3953  e-mail:shizengaku(あっと)shizen.or.jp ※(あっと)は@に直して下さい

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富士山の森づくり/森林復元活動・2018年8月25日~26日

富士山の森・森林復元/2018年夏の活動

2018年8月25日~26日は、山の自然学クラブで行っている富士山の植林活動/森林ボランティアの夏の活動でした。
今回は三井住友銀行 ボランティアスタッフYuiのみなさま、そして岐阜や愛知・東京から初参加のみなさまを交え、夏の森林復元活動を行いました。
2日目にはブナの天然林を観察しに、富士山南麓の森の中を歩きました。こちらも 森の成り立ちをみんなで観察しながら、たいへん気持ちのよいハイキングとなりました!
ご参加頂いたみなさま、本当にありがとうございます。

1日目8月25日 ~植林地での植林・補植作業

午前中からいらして下さったみなさんには、補植の準備と植栽地の草刈りなどの整備を担当して頂きました。
素晴らしい効率で作業を進めて下さり、植栽の準備はバッチリです。
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お昼からいらしたメンバーには、補植に使う苗の準備を担当して頂きます。こちらは、昨年に東京農大から学生さんが持ってきて下さった苗です。富士山の天然林から数年前に採取をして、2,3年程度大学で育てて下さったものです。
感謝を持って、ていねいに掘りあげて頂きました。

25日は濃霧で!数メートル先も見えないくらい視界の悪い中での作業となりました。
みなさん、炎天下で暑いよりよかったよね~ とおっしゃって頂いていましたが...
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富士山の夏は、山頂から駿河湾までの気温差や、風の向きもあり、たいへんに雲のできやすいことをお話しするのですが、その通りのお天気になりましたね~ と 言い訳のように(?)説明をしながらの作業です。
湿度100%に限りなく近い状態での作業、ミストサウナに入ったと思うことにしましょう;
ともあれ、用意した苗木は全部植栽完了。今回は、12種・300本の苗木を富士山に返すことができました!

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夕方、作業を切り上げたあとには全員で 温泉に入浴して,さっぱりとしてから宿舎へ。
これまた恒例ですが、かんたんに活動紹介のレクチャーをさせて頂きました。今回の主題は、富士山と私たち日本人の最近のおつきあいについて、です。江戸時代までは富士山は神域として大切に守られてきていたと考えられます。信仰の対象として、さらに経済効果も生んでいたと思います。また、開発に関しても、中世までは人力での開発が限界ですので、さほど大きな改変はしてこなかったのではないかと考えられますし、そのように記録されています。
しかし、現在の富士山を見ると、開発のあとはしっかりと残されています。
私たちの社会や生活の変化が、富士山にどのように関わってきたのか考える事も、森林を「復元する」ことを考える上では大切なことです。

2日目8月26日 ~種子と実生の採取、天然林の観察会

翌日も朝はなかなか富士山が顔を見せてくれません。宿舎から早朝に少し顔を出していたのですが、ほんのわずかだけで、多くの方は見逃してしまっていました。厚い雲に隠れていましたが...
登っていくと、だんだんと雲が晴れてきます!
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西臼塚の駐車場に着いた頃にはこんな感じ! みなさんに夏の富士山を見て頂くことができてよかった!

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さて、森を歩いてたくさんの樹木や、その生活をご紹介します。
戦後70年経って成長したと思われる、わずかに残るブナの成木(このあたりに大木と言えるような木はほとんどありません)を観察しました。そして、数十年前に伐採されたと思われる大木の切り株には、新しい芽生えが生えてきています。この苗が100年生きて次の世代を担うようになるのか... 今見ている誰もがたぶん見られないことでしょう。

でも、ここちのよい天然の森の感触をみなさんには楽しんで頂けたことと思います。しっとりしたたくさんのコケの感触、ふわふわの地面の感触はこの森の大きな特徴です。
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ご参加のみなさん、山の自然学クラブスタッフのみなさん、今回も本当に楽しい2日間になりました。ありがとうございます!
またみなさん、ぜひぜひ 富士山にいらして下さい!

2018年7月14日~16日 三陸現地講座 石巻~牡鹿半島・雄勝(3)雄勝の観察会

2018年7月16日 鎌田先生との観察会・石巻市雄勝

魚竜のふるさと雄勝 再発見!地質ハカセと歩く自然観察会・雄勝

山の自然学クラブ 三陸の自然観察会「牡鹿半島雄勝をめぐる ~2億年・地球の旅~」 行ってみよう。見てみよう。地元学・自然学 at 雄勝石巻の3日目

2018年7月16日は、石巻、旧雄勝町雄勝地域の自然観察会・地質編「魚竜のふるさと雄勝 再発見!地質ハカセと歩く自然観察会・雄勝編 ~行ってみよう、見てみよう。地元学・自然学」を実施しました。三陸現地講座・地質編の3日目でもあります。
三陸現地講座2018年7月16日:石巻雄勝の観察会 - Google マイマップ


この日は市内からのご参加の方の他、三陸ジオパーク協議会・気仙沼地域の委員である豊田さんと気仙沼市NPO・海べの森をつくろう会の菅原理事長が気仙沼からご参加下さいました。感謝感謝です。

日帰りのみなさんとは味噌作の雄勝ローズファクトリーガーデンにて集合しました。こちらで休憩をさせて頂くほか、車を置かせて頂きます。ガーデンはこちらに実家のあった徳水さんご夫妻がお母様の好きなバラを育て、たくさんの方との協働を進めて続けていらっしゃる、すばらしい取り組みです。
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これから大学生の研修が入っているという徳水さんが「北限のオリーブ」を育てている様子をご案内下さいました。お時間のないところ、本当にありがとうございました。

みんなで感嘆しながらも、波板地区に移動しました。波板地区もたいへん熱心に頑張っていらっしゃるところでして、波板地域交流センターは宮城県兵庫県民からの義援金を活用して交付する「被災地域交流拠点施設整備事業」で整備された施設です。特産の波板石を使ったワークショップの開催や住民による波板石や竹を使った雑貨の製作なども行っていらっしゃいます。
 
センターの脇にはたくさんの石が。参加者のみなさんの目が輝きます(?)

まずは海岸を案内して頂きました。第2勝丸の展示も拝見します。今年2018年3月にオープンしたばかりの「Boat House NAMIITA」です。壁にはハワイ大学の先生が描いてくれた漂流経路図が示され、2015年4月にオアフ島で見つかって、2016年3月に古里へ戻ってる来るまでの軌跡を説明する写真が展示されています。
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波板の防潮堤には現地の石を貼り付けています。これは青木さん達がクラウドファンディングなどで寄付を集めて実現したことで、たいへん多くの方の協力や努力の賜です。大切にしていってもらいたいです。波板の海岸ではたくさんの方が海を楽しみに来ていました。この海岸の砂も、ボランティアの方々が砂をふるってきれいにしたのだそうで、この地域に携わったみなさんの愛情とパワーを感じます。
海岸では大沢層の見事な露頭が観察できます。化石も探してみたいところですが、見事な褶曲も観察できました。f:id:shizengaku:20180722184951j:plain
波板地区の石切場にも入れて頂きました。化石探しなどもできそうですが、みなさん思い思いの石を触って、許可を頂いてお土産を頂いた方もいたようです。
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雄勝北側の海岸、名振地区へ向かいます。ここに分布している石灰岩の観察が今回のメインイベントのひとつです。県北の海岸地質はたいへん大きな向斜構造になっていて(?!)、ここで見られる石灰岩気仙沼市の岩井崎海岸で見られる石灰岩の続き!であるといえるそうです。正面に見えている八景島には同じ地層が続いているとのこと。いやはや壮大な地域です...。
海岸の岩石をみると、たくさんの化石を観察することができました。ウミユリやサンゴがたくさんあります。たしかに、気仙沼で見る石灰岩と少し違いがあるように見えます。
 

続いては鎌田先生がギョリュウの化石を調査したという荒浜の海岸へ。
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魚竜は三畳紀初期(約2.4億年前)から白亜紀中期(約8500万年前)まで知られている、海中に生息していた爬虫類で、現在のイルカのような体型、生活をしていたと考えられています。小さなものは50cmくらいから、大きなものでは20mもあったとか。現在のクジラなど海獣哺乳動物と同じような感じだと考えればよいのでしょう。
1982年、北海道大学の大学院生だった鎌田先生達はこの海岸を調査していました。するとこの甲(かぶと)島の大沢層の一番上部に、化石があるのを発見!(ちなみに地元の方は手前の小島を”かぶと島”、奥の現在甲島と表記されている島は”よろい島”と呼んでいたそうですが) そのときは写真を撮って帰ったそうです。
後日、許可を取って化石を採集したそうです。するとなんと!そのすぐ下からもう1体が発見されたのですが、採集の費用がないため、まずは一つを持って帰ったそうです。後日、国立科学博物館がそのもう一体を発掘したとのことです。見つかった化石は状態のよい歌津魚竜(Utatsusaurus hatai)だったそうです。当時大発見!として話題になったそうです。学生の時にそんな体験をなさったとは、羨ましい限りです。・・そんな武勇伝を聞きながら海岸を歩きました。
 
近くの露頭では当日の堆積環境をよく表した岩石や、大きな断層が現れているところなども観察できました。

当時の環境を予想して、地層の成因を考察する、いつもながら先生の解説に納得してみたり、感心してみたりしながら、今日の楽しい観察会もそろそろ終了の時間に。

ご案内下さった鎌田先生、ご参加下さったみなさま、運営にご協力頂いたみなさん、そして案内に協力して頂いたみなさま ありがとうございます。そして、今後とも、よろしくお願い致します。またぜひ次回も企画をしたいと思います!

山の自然学クラブでは継続的に、宮城県三陸地域で地域の自然、地質や地形、植物などを観察する自然観察会を実施しています。
活動の内容やご案内はこちらをご覧下さい(ホームページの案内にリンクしています)。

今回実施した 2018年7月16日 雄勝の観察会のご案内チラシです。