山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

山の自然学クラブが紹介されました!

山の自然学クラブが紹介されました!

セブン-イレブン記念財団機関誌「みどりの風」2018年春号・No.53

当会では富士山森林復元活動などにセブンイレブン記念財団様から、複数年 活動助成を頂いています。
機関誌で団体紹介をするコーナーがあるのですが、そちらで2018年春号に
当会・山の自然学クラブをご紹介頂きました。(上記No.53の30ページ部分です)

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3月18日のテレビ放映に使用するセブンイレブン記念財団のCM中にも当会の活動シーンの写真を使って下さるようです。こちらではこの記事に使った、高山植生モニタリング活動の調査風景を使用すると聞いています。

木曽駒ヶ岳を中心とした高山植物の継続的なモニタリング調査は、下野綾子理事が中心となって企画し、継続しているものです。
活動についてはこちら(ホームページ/高山植生モニタリング活動)をご覧下さい。

また、下野さんには「山の自然学講座2018」において、4月17日(火) の第4回講座で
高山植物の生活史と近年の植生の変化」をテーマに講座をご担当頂きます。
山の自然学講座2018/NPO法人山の自然学クラブ 第4回室内講座
山を歩いて、気持ちのよい風景、そしてそこにある高山植物を見ているだけで 本当に楽しいですが、近年は気候変動、降水量、動物の生育域の変化 その他の要因によって影響を受けたり、変化も大きくなったりしているそうです。

植物の生態の詳しい内容の他、そのような近年わかってきている環境変化などについても、お話が聞けること思います。こちらもぜひご参加下さい。

木曽駒での調査の際の写真、調査風景です。
 

木に学ぶ・樹木の生き方暮らし方

木に学ぶ・樹木の生き方暮らし方/室内講座

4月3日 講師:石井 誠治先生(樹木医、森林インストラクター)

山の自然学講座2018  第3回室内講座

ウェブサイトに案内が未掲載だった4月3日講座の詳細を掲載致しました。
明日から始まる「山の自然学講座2018」4月には2回の室内講座と1回の現地講座を予定しています。
第3回室内講座(4月3日開催)の石井誠治講師は山の自然学クラブの理事でもありますが、各カルチャーセンターなどでも人気を集める方です。
この機会に、ぜひ聴講にいらしてみて下さい。

講座の内容詳細と、お申し込み方法などはこちら ↓ をご覧下さい。
山の自然学講座2018 ・ 第3回室内講座山の自然学講座2018/NPO法人山の自然学クラブ 第3回室内講座

石井さんのお話はそこに落ちて(?)いる落ち葉から、そのひと枝から、日本の森・世界の森、そして地球規模の地史から環境問題に至るまで、生き物やその歴史は全てがつながっていることを語って下さいます。
また、日本人は1万年以上前の縄文時代から、深く森とおつきあいして 共に生きてきました。
私たちの祖先が自然や森、樹木とどのように生きてきたのか 利用してきたのか 等についても、しっかりとお話をして下さいます。
当日は著書のご紹介もあるかと思いますので、お楽しみに!

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2018年初_大蔵喜福理事長メッセージ

2017年会報・はじめに 「山の自然学」は、登山スキルを確立するためにもある。

山から始まる自然保護(当会年会報)17号 2018年3月13日発行より
大蔵喜福理事長 巻頭言

 「携帯電話が壊れた。」単なる故障?全くスイッチが入らなくなった。その前段階になにか兆候があったのかと問われれば、充電電池の時間が持たなくなった。防水で山向きのPC端末として使えるので大いに助かっていたが、3年使った割には落胆が無かった。便利印の電子機器は「電池が無くなればただのゴミ」と化す、登山用機器となればなおさらである。それなりに周到なエネルギー補填の用意が要る。ただ、携帯の呼び出し音も何も無い数日間はそれなりに幸せ感があった。
 機器といえば、今年前半、冬山期間にあった幾つかの雪崩遭難で、雪崩ビーコンを持っているかいないかの問題提起とその議論が私の周辺でも起こった。ビーコンとは雪崩トランシーバ(理没者探索用発受信機)のことで、グループでの登山や山スキーで、山に入れば全員が電波を発信しながら行動し、事が起きれば流されなかったものが受信に切り替え捜索するというものだ。雪崩は死亡事故に繋がるから、流された当事者より居所を知らせる電波をキャッチできれば発見が早まり、助かる可能性が飛躍的に高まる。雪崩の安全対策としては飛びつきやすい必携の装備である。日本に輸入されてすでに半世紀近くになる。 
 ただ、その当時は積雪期の登山者や山スキー愛好家には殆ど受け入れられなかった。精度の問題や使い方が面倒ということもあったが、高価なのに効果がない?とそのコストパフォーマンスが評価されなかった。評価というよりそのまな板にも載らなかったというのが正解かも。時代は雪崩に対する登山者側のスキル、①知識(雪、地形、気象、植生など)と②雪上の登行技術、経験値からくる勘などの総合登山技術がその対策の正道にあった。現在のように、その対象の分母、オフピステのスキーヤーバックカントリー・ボーダーなどの人口は殆ど無く、山スキーをする登山者が微妙に増加の頃である。
 雪崩遭難時にはいつも「持っていれば助かったのに」という単純な意見が飛び交う。確率はあがるが、登山のスキルとは全く相容れない、本末転倒な考えといえる。現在、ビーコンの所有率はボーダーが9割、山スキーヤーが7割、登山者が1割といわれる。積雪期登山者の1割が所有とはにわかに信じられないが、滑りの人には有効な機器であることに異論は無い。すべりから誘発する雪崩は想像以上の数である。ただし、登山の用具は使う側のスキルによって変わる。十分に使いこなせなかったら全く無意味である。
 雪崩対策には何が良策だろうか?雪山を楽しむ登山者なら最低限、『雪崩の本質をよく学び、雪崩が起きそうな条件、時間帯にはその山、場所には行かない』というのが一般的な答えだろう。そうすれば事なきを得る。ただ、山登りでも先鋭的あるいは冒険的登山となればそう単純ではない。危険な場所ならばこその評価と価値というものがある。冬期の初登攀という勲章のためには命がけということになる。登山をする側からの思いは、想定する危険に遭わないために、学習も修練もし、準備を重ねて入山するというのが最良の回答といえよう。自己責任の登山界では当たり前なことで、それすら出来ていないとしたら無謀呼ばわりされてもしかたがない。

 登山での雪崩事故はスキーヤーやボーダーに比べてはるかに少ないが、死亡事故となるとそうともいえない。雪崩は大量な雪に見舞われるわが国の山岳地帯には当たり前な自然現象で、年間に2万回以上が発生するといわれる。そのうち、登山者とスキーヤーなどの人身事故にかかわる雪崩は1 %程度と推測するが、事故とならなかった雪崩は表面に出てこないし、山岳地全体で起こっている雪崩を監視する者がいるわけではない。だから数字に信憑性はない。
 雪崩はいつでもどこでも、滑り落ちる条件さえそろえば起こるということ。『何でもないところで例外的に被害となるのが雪崩事故』を肝に銘じてほしい。雪とは“動くもの”なのである。
 いずれにしても雪崩を生き残るためには雪質、地形、植生、気象を徹底して学ぶしかない。医学と同じように予防が大事なのである。雪崩だけではなくその他の遭難も含めた対処には“起きてからどうする”ではなく、予防がそのプランに組込まれていなければならない。登山における想定外を起こさないためにだ。
 起きてしまった後に生き延びるための最良の策は見当たらない。“雪崩に遭って助かった例”という本も無ければ、多くが亡くなり、助かった人も恥の上塗りとならないよう偶然、それも幸運なといったことでかたづけられてしまうからである。雪崩遭難報告書にも“こうすれば助かる”という項目はない。そのための訓練も実際に山では出来ない。死ぬ訓練は出来ないのである。それでも、過去の教訓から『荷物を捨て身軽になって雪崩の表面に浮き、流されつつ避難地を探し身を確保する』を実行し、こうして助かったという話はあるし、実際私自身も3回遭遇し、生還した。また、今のようなハイテク機器がない時代にはナダレ紐というものがあって、私自身も装備していたことがある(今でも持っている)。『数十mの毛糸玉で、末端を体に留めて、遭遇したら毛糸玉を投げて埋まっている場所を知らせる』案外弱そうな糸だが、軽く雪崩の表面に残り雪の中でも見分けやすい特長がある。いずれにせよ過去の例で見直すものもありそうだと思う。
 この3月、那須で起こった雪崩による高校生7人と教員1人の遭難死は痛ましいかぎりだ。事故は高校山岳部の指導に多くの疑問を浮かび上がらせた。その責任の取り方、その指導法もまちまち、さらに教師に冬山の熟達者はまれ、そのリスクを負わせる課外活動も酷。部活での冬山は難題だ。社会人クラブに入りスキルを重ねるのも一つの選択かもしれない。それに山の鉄則『自己責任』は高校生でも守るべきだ。その意識がスキルを挙げるはずである。それには学問としての登山が無くてはならないはずである。
 福沢諭吉の言葉に『学問は、判断力を確立するためにある』というのがある。世の中のすべての事象の流れの中で、何を信じ、何を疑うか?真実のありかを求めるのは学問を置いて無しという言葉だ。海山川、自然の中でも同じである。
 山の自然学は学問として価値あるものだが、わが会の目指す崇高な“自然界の代弁者となる役目”を全うするには、その知識をどう生かすか、自らの山登りの実践にも大いに役立てたい。そういった意味でも会員それぞれが、この一年、何かしら課題を持って欲しい。本年も会員皆様のご協力を切にお願いいたします。

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山の自然学講座2018の案内

山の自然学講座2018の案内

2月24日 東京マラソンの準備が整った新宿の街。ランナーも、ポケモンGo!に夢中になっているような方々も、いろいろな方が交錯する新宿です。

山の自然学クラブでは、定時総会および講演会「山から始まる自然保護2018」を開催致しました。講演会では福嶋司先生から、ブナ愛たっぷり;あふれる、楽しいお話を伺うことができました。
2019年からカレンダーを製作するなど、新しい事業についてのご承認もいただきました。
素晴らしいご講演を頂いた福嶋先生、そして お集まり頂いたみなさん、ありがとうございます。

今年から日本山岳ガイド協会の会員にもなりましたので、山の自然、自然や季節の知識、そしてそれを守るための知恵や手法など、ますます広く学び、普及に取り組む団体として活動をしていきたいと思います。みなさま、どうぞよろしくお願い申し上げます。

日本自然保護協会の会報「自然保護」(2018年3〜4月号)の「会員投稿コーナー」に山の自然学講座2018の案内(講座の内容と申込みはこちら → http://www.shizen.or.jp/basic/index.html )
をご掲載いただきました! ありがとうございます。
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山の自然学講座は10回シリーズで毎年開催しているものですが、広く日本列島と山の自然を学んで頂くのに楽しい内容となっていると思います。
1回の受講から、参加歓迎です。
ぜひ一度 お越し下さい。

「山の自然学講座2018」開講します!

「山の自然学講座2018」開講します!

もっと知れば、もっと見れば、いつもの山歩きが【もっと】楽しくなる!
山の自然学講座・2018年が3月~始まります。
ことしも全10回の講座で自然を識り、感じる講座を企画しました。
第1回は3月6日(火)、おなじみの小泉武栄先生から 山の自然学・はじめの一歩をお話しいただきます。
「自然観察の視点・氷河時代が大きな影響を与えた日本列島と日本の山々」
「ニッポンの山ってすごいの?」 について、楽しい講義で聴くことができると思います。

近日に申込みできるように受付サイトを公開しますので、ぜひ受講、ご案内下さい。
山の自然学講座2018(全10回)
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エコプロ2017へ・カマタマルシェの受賞展示

十三浜プロジェクトから発展した“カマタマルシェ”【KAMATA Marche】が「ウッドデザイン賞2017」を受賞しました!

エコプロ2017にて 日本工学院から受賞作品が展示されています

2017年12月7日(木)~9日(土) に 東京ビッグサイト 東ホールにて「エコプロ2017」が開催されました。
会場では様々な取り組み、活動、商品の展示や発表、さらに各種セミナーやイベントがとり行われます。

今年は自分たちの取り組みの一端を見学しに、会場にやって参りました。

十三浜プロジェクトから展開を広げて取り組んでいる
“カマタマルシェ”【KAMATA Marche】が「ウッドデザイン賞2017」に、日本工学院専門学校建築学科/建築設計科が主体となって分野:コミュニケーション分野、サブカテゴリ:教育・研修システムとして応募し、「ライフスタイルデザイン部門」において受賞しました!

ウッドデザイン賞の受賞報告(受賞内容や部門など)は十三浜プロジェクトホームページの報告をご参照下さい。

十三浜プロジェクトにて一緒に活動している、日本工学院のみなさんが、「ウッドデザイン賞2017」に応募しようとおっしゃって頂いたのが2017年の春でした。こちらからは写真を何葉かお送りした程度ですが、素敵なプレゼンシートができまして; 応募して頂いたのでした。

会場には木づかいのブースもたくさん、オーガニックの展示なども勉強になりました!

さて、ウッドデザイン賞の受賞展示会場です。やって参りました。

プロフェッショナルの手や企画による 立派な作品がたくさん受賞して展示してありますが、
・・そのなかに、学生さんの作品が!! 少し心配なような、嬉しいような..
 
石巻でもそうですが、この会場でも どうも、使いやすいように使って頂いているようですね(笑)
安心しました。そして、嬉しいです。

応募に多大な労力をかけて下さった日本工学院の渋田先生とみなさん、そして、素材を提供して頂いた石巻・河北のみなさん、そして当会のメンバーや関係したみなさん、みなさんに 改めて感謝を申しあげます。

これからも素敵な気持ちを持てる活動を続けられるように、頑張っていきたいと思います。

ナンダ・コート初登頂80周年記念登山隊が無事帰国しました!

12月16日にナンダ・コートの特別番組が放送されます

ナンダ・コート初登頂80周年記念登山隊が無事帰国しました!

大蔵喜福理事長が隊長を務められた
「ナンダ・コート初登頂80周年記念登山隊
の記録をまとめたドキュメンタリー番組が製作中、との連絡が入りました。
番組は日本BS放送(BS11)で、2017年12月16日 20時~22時に放送されます。

ナンダ・コート峰(6,867m)は、立教大学山岳部が1936年に日本人として初めて登頂に成功したヒマラヤの未踏峰です。
初登頂80年を迎えた昨年来、から2年間、様々な活動に取り組んできました。そして今年2017年9月17日~立大山岳部OB2人を含む登山隊(隊長:大蔵喜福)がナンダ・コート遠征に向かいました。この2年間を記録した番組だそうです。

こちらに、BS11 開局10周年特別番組「ヒマラヤの聖峰、80年目の再挑戦 -山頂に眠る旗を探しに」のサイトへのリンクを張らせて頂きました。
http://www.bs11.jp/special/himalayan-10th/

以下、大蔵喜福理事長/本登山隊隊長 からの報告を転載させて頂きます。

拝啓
 向寒の折、皆さまにおかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
 この度は私たち“ナンダ・コート初登頂80周年記念登山隊”に多大なご協力を頂き誠にありがたくお礼申し上げます。なお、諸事情でご挨拶がたいへん遅れましたこと、まことに申し訳なくお詫びいたします。
 隊は、南壁頂上目前、距離200m手前で、積雪量少なく、軟雪、モナカ状雪、最大傾斜60度、スノーバー、アイスハーケン等に頼れず、危険と判断し退却しました。残念ではありますが、安全を第一に結論を出し、全員無事先月中旬に帰国いたしました。
 応援をいただきました皆様方のご期待に添うことはかないませんでしたが、十分に力を出し切り、充実した登山活動を送ることができましたこと感謝申し上げます。
 私どもが企画いたしましたナンダ・コート80周年事業の三つの柱、映像記録・当時の装備の発掘と保存、再登頂による偉業の周知につきましては、その大半は達成出来たと自負いたしておりますが、まとめとして、本年末12月16日(土)20:00より、ナンダ・コート80周年プロジェクトのドキュメンタリー番組がBS11より放映になる予定です。80年前のルートの反対側、南壁の冒険的登山映像を中心に現在、鋭意制作中です。
 お世話になりました皆様に、心より御礼申し上げるとともに、番組をご覧いただきたくお願い申し上げます。遅ればせながら概略報告を添付いたしましたので、こちらもご覧いただければ幸甚に存じます。
   敬具

平成29年11月吉日
 ナンダ・コート初登頂80周年記念事業実行委員会委員
 ナンダ・コート初登頂80周年記念登山隊隊長   大蔵喜福 

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