山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

富士山・秋の種子採取

富士山・秋の種子採取

2017年10月21日~22日、富士山森林復元活動・秋恒例の種子採取に参りました!

台風が近づく中での活動になりました。どうしようかみなさんと少し迷いましたが、台風で種子が落ちてしまうと採取できなくなってしまうので、天気を見ながらとにかく行ってみましょう、ということになりました。
今年は2年に一度のミズナラの豊作年ですので、ドングリをとってミズナラの苗を育てたいとの事情もありました。

今回、三井住友銀行ボランティアスタッフYuiのみなさんがご参加下さいました。
2009年の「Yui活動開始から10周年」、また、2014年には15周年として、植樹活動と森の観察会にいらしてからのおつきあいで、毎年活動の報告を申しあげたり、富士山での活動日にスタッフのみなさんが参加して下さるなど、いろいろな形で連携させて頂いています。
今回はスタッフのみなさんが誘い合わせていらして下さいました。
せっかく久しぶりの方もいらっしゃるのに、台風とは!と思いましたが、これも屋外での活動にはあることです。
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2日目の活動は延期にして(?)、東京農大のみなさんと一緒に写真撮影に。
このあと帰京していただいたのですが、無事お帰り頂けたでしょうか。

1日目の21日は、雨模様でしたが、それほど荒天でなかったので、何とか少しの樹から採取をしました。
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今年は夏の間にあまり天気がよくなかったためか、種子を付けている樹種がそもそも少ないようです。
ですが、森の中には様々な微気象、微地形の変化があり、場所によって条件が異なりますし、樹木の種類によって必要な環境条件なども違いますので、まったく実がなっていないということはないようです。
風に飛ばされていく種子を付ける、ハンノキの仲間やモミジ、カエデの仲間などは日当たりの良さそうな場所にある木が実を付けていました。
また、赤い実を付ける木はいくつか種子を取ることが出来ました。こんなに実を付けているカマツカはあまり見ることがありません!・・びっくりしました。今回何本か、このような木を見つけました。雨が多かったことが影響しているのでしょうか;?
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さて夕食後の恒例?作業、種子の調整もみなさんでお手伝い頂きました。
昼間の作業でお疲れのハズですが、みなさん、持ち前のまじめさ、ていねいさでどんどん作業が進みます!
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お天気が悪かった割には、まずまずの種子が取れたのではないかと思います。
ミズナラもしっかり集めることができました!

ご参加頂いたみなさん、Yuiのみなさん、東京農大のみなさん、ありがとうございます!
またぜひ ご一緒致しましょう!

富士山・2017年夏の活動です!

富士山・2017年夏の活動!

8月26日~27日は富士山、今年 夏の活動です! 夏の活動の主体は、樹木の生長を助けるため、草本類やササなどをかりはらいすることです。木を覆うツタも大敵です。みんなで探しながら作業をしました。

こちらは農大の学生さんが昨年持ってきてくださった苗です。
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ずいぶん大きくなっています! 中に生えてきている草を払って、日当たりをよくしておきました。
できれば今年の秋の活動で植えたいと思います。楽しみです。

さて、今回の宿泊は朝霧高原でした。いつもは植林地に近い裾野市方面に宿泊することが多いので、久しぶりです。日中は隠れていた富士山でしたが、夕方 富士宮に降りた頃にはきれいに山頂が見えるようになりました!
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初めての方もいらしていたので、本当によかった!
涼しくて気持ちよく、そして楽しく、キャンプ気分で過ごすことができました。夏の高原は気持ちよかったです!
朝霧高原にあるミルクランドは富士開拓農協の施設としてつくられた施設です。開拓にはたいへんな労力がかかったことと思いますが、おかげで現在の私たちは、たいへん気持ちのよい時間を過ごさせてもらうことができました。おいしい牛乳や卵も頂きました。感謝です。

富士山はちょうど真西から見えるようになりますので、大沢崩れがちょうど正面です。学生のときに研修で行ったことが思い出されます(その後にも歩いたことはありますが。登山者等は崩れているところには入ることができません)。

翌日は大室山へ、自然観察会です。富士山の溶岩流の時期による違い、そして、その経過時間による森の違いがたいへんよくわかる、そして歩いていて気持ちよく楽しいコースです。
富士山の大室山は朝霧高原から行く途中からよく見える、富士山北麓でいちばん大きい寄生火山です。

まずは樹海とも呼ばれる富士山の原生林を歩きます。
ヒノキが主体となっている、貞観噴火の熔岩の中を歩きます。溶岩も見えていて、そこからヒノキなどの樹木が生えている様子がよくわかります。コケが大切な働きをしていることもわかります。
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樹木の根がたいへん遠くまで広がっていることにみなさんびっくり。土の中では様子が見えませんからね... ためしにひとつの根をたどってみると、十何メートルにも先に生えている木から渡ってのびていました!
途中、富士風穴にも入りました。氷や雪が残る風穴。冷たい風を体験です。
大室山の麓には美しいブナの林が広がります。真夏にきたのは初めてですが、これまで歩いてきた檜中心の森とは、緑の対比がよくわかります。 針葉樹と広葉樹、美しい両方の天然の森が見られます。
大室山は3000年前、片蓋山と一連の噴火で形成されたと言われています。地質の違いもありますが、いづれにしても森になるにはたいへんな時間がかかることを実感します。
テレビで放映された効果もあるのかもしれませんし、夏休み期間だからでしょう。たいへん多くのみなさんとすれ違いました。こんなに多くの方に会ったのは初めてです。このことにも少し驚きを感じながら、しかし嬉しく思いながらの散策となりました。

また秋にも楽しい森歩きができることでしょう。
今年は9月30日~10月1日、そして10月21日~22日に予定しています。楽しみです。
たくさんのみなさんのご参加、お待ちしています!

2017年8月19日・気仙沼なでしこ祭りです!

2017年8月19日・気仙沼なでしこ祭りです!

気仙沼市の「海べの森をつくろう会」さんが、地元自治会のみなさんと一緒に開催する「なでしこ祭り」がいよいよ19日に開催されます。
お天気が心配ですが、ハマナデシコの花は見頃だと思いますので、ぜひたくさんの方にお花見を楽しんで頂きたいと思います。

気仙沼市波路上地区の海岸です。岩井崎を南から見ます。
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こちらに設置された大型土のうでつくられた仮堤防の内側に、海岸から吹き寄せられた砂がたまっています。
この砂地に流れてきて定着したハマナデシコの実生を2014年の冬に見つけました。
2015年の夏に開花、海べの森をつくろう会のみなさんをそこに呼んで、お花を見てもらいました。きれいな赤紫色の花にみなさん大喜びでした。
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今回花が咲いた苗は、このときに見つけた個体から種子を採取して育てた苗を植えたものです。
花が終わって種子をとり、海べの森をつくろう会のスタッフが大切に育てて下さいました。

活動地の農園にみなさんが植えて下さった苗も、きれいに花が咲き、花壇のようになりました。
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事務所の前のハマナデシコも、たくさん花が咲いてくれました。空を後ろにきれいに見えます。
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8月19日に訪問するのが楽しみです。気仙沼のみなさんとのひとときも楽しみです。

十三浜夏祭り・2017年!

十三浜夏祭り・2017年!

8月13日には十三浜夏祭りが開催されました。これまで開催していた相川地区は国道などの工事が進んでいて、お祭りが実施できないため、今回は大室地区での開催となりました。

正午、子供歌舞伎から幕が切って落とされました!
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この日に向けて特訓したのでしょう。見事な舞を見せてくれました。

いつもいらして下さるミュージシャンのみなさん、協力して下さるボランティアのみなさん、そしてもちろん地元のみなさんがそれぞれ協力して、すべて手づくりのお祭りです。
前日にお手伝いに行くと、舞台が組み立て中でした!

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地元工務店の方を中心に、いつもながら手際よく組み上がって行きます。長雨のためか、材が膨らんでしまってホゾがうまくはまらなかったりしたようですが、さすがに慣れていらっしゃいます。
見学しつつ、雑用をお手伝いしつつ、準備が進められました。お天気があまりよくないので、テントなどの準備は当日の午前中にすることになりましたので、相川地区へ行って別の活動をしました。

集会所の近くに置かせて頂いているあずまや周辺の改良をさせて頂きました。

今回、山の自然学クラブのメンバーは、本部テントの販売を担当させていただきました。運営のためバスツアーでいらしたボランティアさんが一緒です。大阪からいらした方も! 若者パワーで頑張って下さいました!
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前日までいらしていた日本工学院専門学校のみなさんが、テーブルと棚を作っておいて下さいました。
活用してもらえるかな~、と会場に持って行くと、さっそく活用して下さいました!
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Tシャツ置いて頂き、すてきです! やはり無垢材の雰囲気はよいものです。

今回も、相川地区に設置したビザ釜で、水守の郷・七が宿の海藤さんがビザを焼いてデリバリーをしました、食券を会場で販売して、釜から持ってきた焼きたてピザが届いたら引き渡します。

今年も海老名のみなさんを中心に寄付を集めて、花火を揚げることができました。
ギタリストの八島さんとファンのみなさんを中心に熱心に支援を続けて下さっています。今日の演奏でも八島さんとその仲間のステージがメインイベントのひとつです!
仙台の芳賀さん、いつもたいへんお世話になっている花火屋さん(火薬商さんですが)です。
20時過ぎ。フィナーレを飾る花火がうちあがります。
隅田川の川開きの花火ももとは大火のあとに始まったと言われていますが、何回かこちら十三浜で見ることができた花火。感慨深い思いで拝見いたしました。

きれいな花火を見て、みなさん満足して今日のお祭りは無事終了。
今回もたくさんのみなさんが献身的に動き、長い1日を楽しく気持ちよく過ごさせて頂きました。
すべてのみなさん、ありがとうございます。

今年、延びにのびていた相川中地区の高台移転の引き渡しが終了し、ようやくみなさんがお家を建て始めたところです。
今年の年末がいよいよ仮設住宅で最後のお正月にできそうです。新しい国道も出来てまいります。
工事がどのように進むか、現地にどのような変化があるかわかりませんが、来年の8月もぜひ十三浜のみなさんと夏祭りを一緒に楽しませて頂けたら。と心新たに致しました

阿蘇の草原へ!

8月9-11日は熊本/阿蘇で活動します

山の自然学クラブでは、阿蘇の草原再生の活動を有志で行うことになりました。
主に、阿蘇市波野地区、荻岳の周辺を最初の活動地として、草原の復元プロジェクトのお手伝いを行います。
場所はこちらをご参照下さい。波野/荻岳 と書いてある周辺の草原で活動を検討しています。

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国土地理院電子国土Webに加筆http://maps.gsi.go.jp/

8月10日~11日に、波野にある「やすらぎ交流館」さんと協力して現地での活動を検討しています。草原の草丈を小さくするための草刈り、小さな崩壊地を修復する作業を1,2日間行う予定です。地元のお子さんたちと草原の観察会などができるとよいのですが、このあたりは相談中です。

ご参加頂ける方、ぜひ連絡下さい!どうぞよろしくお願いします。
荻岳からはすばらしい展望が広がります。もちろん、阿蘇カルデラではどこも雄大な景観が楽しめるのですが。
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8月10日か11日に草原での活動を行いますが、その前後は自由行動で結構です。
ご一緒に回る方は、9日~11日夜まで一緒に車に乗車して頂けます。(中村の予定は 8月9日昼まえ頃に熊本空港を出発~11日夕方に阿蘇出発・夜までに熊本空港へ戻る予定です)その間都合に合わせてご一緒下さい。


阿蘇へいらっしゃる場合のご注意】
JR豊肥本線平成28年熊本地震の影響により、肥後大津駅阿蘇駅間は運行休止中です。

阿蘇市への交通については、阿蘇市ホームページをご参照下さい。
http://www.city.aso.kumamoto.jp/tourism/event_tourist/public_transportation_map/

熊本空港から阿蘇、波野方面へは産交バスが便利です。
熊本~大分 特急やまびこ号(熊本空港経由)
http://www.kyusanko.co.jp/sankobus/toshikan/yamabiko/

活動地周辺の詳しい地図はこちら(googleマップ)をご覧下さい。
drive.google.com

なみの高原やすらぎ交流館のご案内はホームページをご参照下さい。

2017年春先、阿蘇に訪れたときに撮影した写真です。外輪山では珍しくない!キスミレがそこら中に生えていたりします。
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夏はどんな植物に出会えるのか、楽しみです。

気仙沼採取のハマナデシコを植栽します

気仙沼で採取したハマナデシコの植栽


山の自然学クラブは三陸南部の海岸で、自然再生に寄与することを目的に活動を行っています。海岸を彩る海岸植物など在来植物の保護・採取も可能な範囲で行ってきました。
そして、当会の協力団体である、気仙沼市特定非営利活動法人海べの森をつくろう会では、平成27年宮城県自然保護課の海浜植生保護事業「気仙沼市沿岸部希少動植物種保護保全対策業務」を受託し、付近の海岸から海岸植物を採取し、育成する活動を行ってきました。

2015年、宮城県気仙沼市波路上地区岩井崎近くの海岸で、大型土のうの脇に定着したハマナデシコがはじめて開花しているのを見つけました。
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これらの個体から種子を採取、苗を育成しました。

三陸における海岸植物の現状はたいへん厳しい状況です。
津波の被災後減少(もしくは消失)した植物、分布の南限・北限地とされる植物、希少種等、大切にしたい、注目すべき種も多くある地域です。災害や工事などによって直接個体・群落が消失することだけではなく、生育地の分断や縮小の影響もたいへん大きいと考えられます。
できるだけ多くの植物を確保し、保全したいと考えています。
そして、採取できた植物はできるだけ付近の環境改善、修復に利用して頂きたいと考えています。
少しずつですが、苗を育てたりもしています。こちらは海べの森をつくろう会さんの苗畑で元気に育つハマナデシコです。
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今回2017年に、小泉小学校でハマナデシコを植栽したいとのお話しを頂きました!
ぜひ使って頂きましょう、ということになり、2017年の活動で植栽して頂けそうです。
嬉しいです。元気に育ってお花が咲いたらきれいなことでしょう。楽しみです。

今回植栽して頂ける小泉小学校は、ここにあります。


国土地理院電子国土Webに加筆http://maps.gsi.go.jp/

山の自然学クラブでは、
これからも周辺の植生等を観察し、引き続き適応的な取り組みを行いたいと考えています。

「みどりとふれあうフェスティバル」山の日ゾーン

「みどりとふれあうフェスティバル」山の日ゾーン

「第27回 森と花の祭典 みどりの感謝祭」が5月13日(土)・14日(日)に日比谷公園で開催されます(主催:みどりの感謝祭運営委員会) 。

(以下、祭典の案内)
多くの人たちに、緑についての理解と関心を高めてもらおうと、毎年4月15日から5月14日まで「みどりの月間」が設けられています。期間中は、全国各地で緑に親しむ各種イベントが開催されます。その締めくくりとして開催されるのが「みどりの感謝祭」です。
祭では13日に式典を開催するとともに、13日~14日の2日間にわたり、森にふれ、森を育み、木をつかう企業、団体、NPO等が出展し、木のクラフトやツリークライミング体験、鹿肉などのジビエ料理を味わうことができる「みどりとふれあうフェスティバル」を実施します。


両日とも、ステージでは「山の日トークステージ」なども行われる予定です。
この祭典の出展コーナーには、「山の日」の周知活動の一環として「山の日」ゾーンが設けられ、ブース出展があります。当会・山の自然学クラブの大蔵理事長も両日、顔を出す予定で、このコーナーへパンフレットを設置するなどして活動のご案内をさせて頂きます。

チラシは ↓ こちらにも掲載致します。
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感謝祭について、詳しくは みどりの感謝祭運営委員会のサイトをご参照下さい。
midorinokanshasai.com