山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

雑誌地図中心12/10発行号

雑誌地図中心12/10発行号・信州上田

会員の堀内さんより、以下のようなご案内を頂きました。
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雑誌地図中心12/10発行の紹介です。
特集「信州上田」(12/10発行)が組まれていますので
新年からNHK真田丸の放映もありますし、
関心のある方もおられることと思いますので、ご案内します。

とのことです、
発行等
発行・編集・問合先:(一財)日本地図センター(毎金発行)
ホームページ:http://www.jmc.or.jp

だそうです。興味のある方は、ご覧下さい。

山の自然学講座2015の最終回

山の自然学講座2015 最終回です

12月1日、今年リニューアルして開催した山の自然学講座2015の最終回、
第7回目の室内講座です。
今年の通し受講の方は、13名。みなさんに、今回の講師でもある大蔵理事長から修了証が手渡されました!
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お休みされた方もありました。お天気を心配した日もありました。会場トラブルでご迷惑をおかけ致しましたことも。ですがなんとか今年も全課程を終了することができました。
ご参加くださったみなさん、運営にもたいへん助けていただきました。ありがとうございます。
講師のみなさま、
会場をご提供くださり、広報にもご助力頂きましたICI石井スポーツ様、
そしてたくさんのお手伝いをしてくださった会員のみなさま、
本当にありがとうございます。

来年以降も、また改善しながら継続を予定しております。

紅葉と渓流・三頭山の現地講座

紅葉と渓流・三頭山の現地講座

11月15日は山の自然学講座2015 の現地講座・3回目の三頭山です。きのうが雨でしたので実施を心配していましたが、だんだんと霧が晴れて遠くが見えるようになりました。
三頭山は、増澤先生の学生時代の研究フィールドです。毎日、いえ、1日2回も通いながら調査をした学生時代のお話をして下さいました。不思議な地形、豊富な植物、渓畔林と斜面、尾根、それぞれの森のかたちとその移り変わりが今日のテーマです。
都民の森入口にある森林館の周りはトチノキやケヤキの大木が。ふつうに斜面に見えますが、昔の沢だと考えられるそうです。

典型的な渓畔林に見えますが、この中でも樹種によって微妙にすみわけているのだそうです。サワグルミぱ沢底の定期的に氾濫するところ、シオジは斜面に多いことが調査でわかったそうです。
さらに山頂付近の尾根で見られるきれいなブナですが、幼木は少なく、以前調査されていたときにはたくさんあったブナの成木・大木は半分くらいになってしまったそうです。
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斜面をどんどん登っていく先生。みなさんも話を聞きながらついていきます。たしかに小さなブナの木は少ないようです。実生の生存や動態には様々な要因が関係しているそうで、ネズミの活動は影響がありそうだとのこと。

うーん、いろんな角度から見れば見るほど知見が深まっていくのかもしれません。

みなさんのお心がけがよかったということでしょう。午後には晴れ間も見えて暖かくなりました。そして八王子方面も見渡せるようになり、美しい紅葉の斜面を見ることができました。
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増澤先生、ご案内ありがとうございます。お世話役の室村さん、そして参加者のみなさんも、おつかれさまでした。
暖かい陽射しを届けてくれた太陽にも、御礼を言いたいと思います。みなさん、ありがとうございました!

石井誠治さんの最新著書「木を知る・木に学ぶ」

石井誠治さんの最新著書「木を知る・木に学ぶ」

石井誠治さんの最新刊著書が2015年7月17日に刊行されています。
「木を知る・木に学ぶ」 ヤマケイ新書です。
 ↓ 山と渓谷社の書籍案内ホームページwww.yamakei.co.jp


2015年10月4日 読売新聞の書評欄に、この本の紹介文が掲載されました!
コピーを石井さんから頂きましたので掲載します。
石井さんの、自然に対する深い愛情と洞察力が表現されている嬉しい文章ですね。石井さんご本人も喜んでいらっしゃいました。

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この本は、石井さんらしい、優しさのあふれる文章で綴られています。本当に読んでいて楽しくなります。ぜひみなさんもお手にとってみて下さい。

気仙沼・森のたんけん隊!

三陸のフシギをめぐる自然学/森のたんけん隊 at気仙沼

樹木ハカセ・石井先生と森の探検をしよう!

2015年9月13日 気仙沼市本吉地区で、自然観察会を実施しました。
今回は、樹木医・森林インストラクターの石井誠治さんにご指導頂きました!
世界中を飛び回っている石井さん、多忙な日程の合間を縫って三陸へお越しくださいました。

午前中は徳仙丈山で源流に近いきれいな渓流とその周りの明るい混交林を。
そして午後は、いつも活動している果樹園や畑で。

徳仙丈には豊かで美しい森があります。
徳仙丈山は気仙沼市のホームページ表紙を飾るような代表的な景勝地として知られていますが、ツツジの季節以外に訪れた方はほとんどいらっしゃらないようです。キノコ狩りに来る程度なのだそうです。
しかし、こんなに美しい渓流と明るい森があるのです。まさに、地元の宝ですね。

きれいな森と元気な参加者のみなさんに、石井さんのお話もなめらかに。(いつもなめらかですが;)
秋にはいって、森は豊かな実りの季節です。色とりどりに、目を楽しませる用意をしてくれているようです。
木々や草の実やタネも様々。イヌブナも見つけました!今年ミズナラは豊作です。鳥が好きな赤い実もありました。きのこもたくさんあり、みなさん盛り上がります。
リスがくるみを食べたようです。

雨上がりで蛙さんたちもたくさん出てきていました。子供達は大はしゃぎ。

森の外に出て、道沿いも観察してみます。明るい場所には、森の中とは違った植物や生き物が見られます。
 
秋のお花もたくさん観察しました。ダイズ(大豆)の原種のひとつとも言われるヤブマメを見たみなさん、「ホントだマメだ~」と感心しています。お花もかわいいです。
 

日本では、縄文時代から食べられる植物を選んで集落の近くで栽培していたことが知られていますが、よく知られている栗やドングリなどの木々の実のほか、このような豆類、麦なども遺跡から見つかっているそうです。三陸地域の遺跡からはマグロやウナギ、牡蠣などもたくさん出土するとか。うらやましいような気もします.. 今日この山を歩くと、そんな頃の生活も思い浮かぶような気がしてきます。


ミズナラのドングリを拾って、楽しい収穫に満足した後は;
参加者のおなかを満たします。徳仙丈の駐車場でお昼をとりました。気持ちのよいピクニックです。

午後は果樹園に戻って、いつもの生活圏にあるお花や植物を観察します。

キクの仲間の花をルーペで拡大し、お花ひとつずつがどうなっているのか見てみます。小さなお花がまるく集まって、大きなお花に見えることがわかります。子供達も一生懸命に観察。
果樹園では、みなさんが育てている茶豆が実って、取り頃になっていました。参加のみなさんで収穫して、持って帰ってもらいます。
この日とれた茶豆を少し分けて頂きました! おいしかった、ありがとうございます。

石井さんはこの日、植物のフシギ・森のヒミツの他にも、長い時間をかけてつくられて、守られてきた、そして変わってきた人と植物との関わり方、森の生態と人による管理、人間の生活による変化など... 多岐にわたるお話をして下さいました。
気仙沼のみなさんの胸には、どんなお話が残ったでしょう。


前の週に台風がきて、土曜日には首都圏に地震があって電車が一時停まるなど。
始まる前はどうなることかと思った今回の観察会でしたが、当日はお天気にも恵まれ、本当に楽しい一日となりました。


講師の石井誠治さん、いつもお世話して下さる海べの森をつくろう会のみなさん、ご参加頂いたみなさん、
ありがとうございます!

また気仙沼へ行くのが楽しみです。
10月10日~12日は樹木の種子採取の活動を予定しています。ぜひご参加ください。

しおかぜ観察会_at_気仙沼・本吉

しおかぜ観察会_at_気仙沼・本吉

2015年7月26日は、海べの森をつくろう会主催でしおかぜ観察会を開催しました。
梅雨明けしたと発表されたこの日、気温は30℃を超え、快晴!眺めは素晴らしいですが、たいへんな暑さの1日でした。しかし小学生のみなさんは、暑さもなんのその、元気いっぱいです! ・・大人たちはだいぶツラそうでしたが... 終わった後のバーベキューだけを楽しみにしていた方もいらしたようです^^;)


この日は、日本自然保護協会が考案し、全国で実施を呼びかけている「砂浜ビンゴ」に挑戦してみました。主催された「海べの森をつくろう会」さんのメンバーがよく様子のわかる写真を撮って下さいました。

砂浜が小さく、狭くなってしまったお伊勢浜、後ろに広がっていた松林も2011年の津波でなくなってしまいました。

しかし!少しずつ復活、もしくは進出してきた海岸の植物たちが、新しい立地に根付いて育ってきています。
つる性のハマヒルガオは根が定着できたのか、今年の夏になって大成長をしました!
昨年はなかったところでたくさんの花を咲かせたのです。そしてそれらの花々はこの時期、実になり熟してきています。

今回の大きな目的のひとつは、このハマヒルガオの種を取ることです。少しでも多く取っておいて、現地で保存、砂が帰ってきたところに戻していく予定です。
ハマヒルガオは、砂がかぶってきたところに真っ先に生えてくる、砂浜から砂丘への第一歩を彩る植物。日本の海べを美しく飾ってくれる、bouquetのような植物です。ハマヒルガオの花のうしろにハマナスの木が育っていく、そんな浜べを目指していきます。

軽井沢の自然と浅間山の高山植物

軽井沢の自然と浅間山高山植物と植生遷移

6月20,21日は現地講座「軽井沢の自然と浅間山高山植物と植生遷移」を行いました。
20日(土)は軽井沢駅に集合、地元に在住のチョウの生態写真家、栗岩さんにご案内いただきました。

かつての軽井沢は火山性の土壌に湿性草原が多くあったそうで、宅地開発が進んで乾燥化してきたようです。下野さんがサクラソウ会議のみなさんが作製したという、土地利用の変遷をあらわした地図を持ってきて下さいました。大正時代くらいには、草原や湿地が多く見られます。
20日にはそんな草原を再現した場所2カ所を栗岩さんにご案内いただきました。
 
栗岩さんは、ちょうちょなどきれいな昆虫は成虫になった姿はよく見られるし、大切にされるけれども、卵の時代、幼虫の時代に生活するための環境、幼虫に必要な食草などを同時に守らないと保全はできないということをそれぞれのチョウを実例としてあげて、説明して下さいました。

こちらの草地は台風により風倒木を処理した後、サクラソウ会議のみなさんで毎年草刈りをするなど、草原の植生を保存する取り組みをなさっているとのこと。これからの推移を私たちも見守っていきたいものです。
また観察・見学をさせて頂こうと思います。ありがとうございました。

21日(日)は浅間山の外輪山の斜面で、下野さんの研究フィールドを案内して頂きました。今年は開花が早いといわれていますが、待望のユキワリソウもまだ咲いてくれていました。その他にも梅雨時に見頃になる植物をたくさん見ることができました。下野さん、ご案内ありがとうございます。

みなさんのお心がけのためか..。梅雨時・一日雨の天気予報でしたが、実際にはほとんど雨に降られることもなく歩くことができました。そして、待望の浅間山の眺望も!ちょうど眺めのよいところに到着したときに雲が晴れ、顔を出してくれました。みんなゴキゲンです。
今度は季節を変えて観察しに来るのもよいのでは、と参加者のみなさんからのご要望もありました。また行きたいですね!