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山の自然学クラブ 事務局ブログ

事務局へ寄せられた、会の活動報告や、会員のみなさまのご活躍を発信します。絵日記担当:中村が更新しています。

気仙沼採取のハマナデシコを植栽します

気仙沼で採取したハマナデシコの植栽


山の自然学クラブは三陸南部の海岸で、自然再生に寄与することを目的に活動を行っています。海岸を彩る海岸植物など在来植物の保護・採取も可能な範囲で行ってきました。
そして、当会の協力団体である、気仙沼市特定非営利活動法人海べの森をつくろう会では、平成27年宮城県自然保護課の海浜植生保護事業「気仙沼市沿岸部希少動植物種保護保全対策業務」を受託し、付近の海岸から海岸植物を採取し、育成する活動を行ってきました。

2015年、宮城県気仙沼市波路上地区岩井崎近くの海岸で、大型土のうの脇に定着したハマナデシコがはじめて開花しているのを見つけました。
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これらの個体から種子を採取、苗を育成しました。

三陸における海岸植物の現状はたいへん厳しい状況です。
津波の被災後減少(もしくは消失)した植物、分布の南限・北限地とされる植物、希少種等、大切にしたい、注目すべき種も多くある地域です。災害や工事などによって直接個体・群落が消失することだけではなく、生育地の分断や縮小の影響もたいへん大きいと考えられます。
できるだけ多くの植物を確保し、保全したいと考えています。
そして、採取できた植物はできるだけ付近の環境改善、修復に利用して頂きたいと考えています。
少しずつですが、苗を育てたりもしています。こちらは海べの森をつくろう会さんの苗畑で元気に育つハマナデシコです。
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今回2017年に、小泉小学校でハマナデシコを植栽したいとのお話しを頂きました!
ぜひ使って頂きましょう、ということになり、2017年の活動で植栽して頂けそうです。
嬉しいです。元気に育ってお花が咲いたらきれいなことでしょう。楽しみです。

今回植栽して頂ける小泉小学校は、ここにあります。


国土地理院電子国土Webに加筆http://maps.gsi.go.jp/

山の自然学クラブでは、
これからも周辺の植生等を観察し、引き続き適応的な取り組みを行いたいと考えています。

「みどりとふれあうフェスティバル」山の日ゾーン

「みどりとふれあうフェスティバル」山の日ゾーン

「第27回 森と花の祭典 みどりの感謝祭」が5月13日(土)・14日(日)に日比谷公園で開催されます(主催:みどりの感謝祭運営委員会) 。

(以下、祭典の案内)
多くの人たちに、緑についての理解と関心を高めてもらおうと、毎年4月15日から5月14日まで「みどりの月間」が設けられています。期間中は、全国各地で緑に親しむ各種イベントが開催されます。その締めくくりとして開催されるのが「みどりの感謝祭」です。
祭では13日に式典を開催するとともに、13日~14日の2日間にわたり、森にふれ、森を育み、木をつかう企業、団体、NPO等が出展し、木のクラフトやツリークライミング体験、鹿肉などのジビエ料理を味わうことができる「みどりとふれあうフェスティバル」を実施します。


両日とも、ステージでは「山の日トークステージ」なども行われる予定です。
この祭典の出展コーナーには、「山の日」の周知活動の一環として「山の日」ゾーンが設けられ、ブース出展があります。当会・山の自然学クラブの大蔵理事長も両日、顔を出す予定で、このコーナーへパンフレットを設置するなどして活動のご案内をさせて頂きます。

チラシは ↓ こちらにも掲載致します。
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感謝祭について、詳しくは みどりの感謝祭運営委員会のサイトをご参照下さい。
midorinokanshasai.com

第2回全国山の日フォーラム・東京国際フォーラム

第2回全国山の日フォーラム・東京国際フォーラム

2017年5月13日・14日に東京国際フォーラムにて「第2回全国山の日フォーラム」が開催されます。(主催:第2回全国「山の日」フォーラム実行委員会)

以下、6つのテーマに分かれて、2日間にわたって講演とパネルディスカッションが構成されています。
1.山の安全と山岳遭難救助
2.林業~環境と循環から地域の活性化へ
3.たくましい子供たちを育む
4.百万人の山と自然 安全のための知識と技術公開講座
5.登山道を考える
6.山岳科学から持続可能な日本を創生する

当会・山の自然学クラブ理事長の大蔵喜福は、パート5.「登山道を考える」(5月14日(日)12:50~14:30)にて、
「防災、遭難防止の観点からの登山道」と題した講演をさせて頂きます。

来場希望の方は、当日、東京国際フォーラムD棟6階の受付カウンターへ直接お越し下さいとのことです。
入場:無料・予約不要 だそうです。
ご来場の方みなさんに「安全登山ハンドブック」がプレゼントされるそうです。

詳しくは、一般財団法人 全国山の日協議会 のホームページ等をご参照下さい。
http://www.yamanohi.net/newslist.php#id466

チラシは ↓ こちらにも掲載致します。
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なお同日に、連携イベント「みどりとふれあうフェスティバル」が日比谷公園で開催されます。こちらには「山と親しもう!山の日ゾーン」のプログラムがあり、ステージ、出展ブースが設けられます。NPOブースには山の自然学クラブのパンフレットなどを置くコーナーもあります。あわせてお越し下さい。

海べの森をつくろう会さんへの訪問

十三浜プロジェクト/気仙沼の海べの森をつくろう会さんへ

十三浜プロジェクトでは、2016年から気仙沼の「海べの森をつくろう会」さんの活動地でも、現地活動をさせて頂いています。
海べの森をつくろう会は、屋敷林の再生活動を中心に様々な活動をしています。生涯学習活動を通じて地域の宝を発見したり、伝統的な手法や生活習慣などを再発見しつつ、地元の魅力を掘り起こし、地産品開発を推進したりする活動に繋げてきています。

ベンチや展示台は有効に活用して頂けそうなので、日本工学院のみなさんが「おおたオープンファクトリー」用につくった棚などを改良して持ってきて下さいました。

ジャムを置くと、とっても素敵な感じです。

今回、以前移転地で伐採したケヤキを輪切りに切ったそうで、先生が持ってきて下さいました。前日に念入りにグラインダーかけていらっしゃいましたので、きれいです。さっそく試作品のジャムを並べてみます。ウッディなジャム達です!
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みなさん、ご自分達が持ってきたベンチにさっそくすわって使っています; スギの無垢材で、触り心地、座り心地もよいのです。

さて、今回は活動を初めて最初の年につくった作品をバラした材を少し持ってきました。しっかり紙やすりをかけている材なので、果樹園の踏みづらの改良に使ってみました。
 
なかなかいい感じになったかな?と思いますが... 雨が降ったあとどうなるか、後日伺ってみたいと思います。
これが結構よいようでしたら、過去に持ってきた材がもう少しあるので、果樹園の歩道などにも使ってみてはどうかと思っています。またみなさんに相談しながら活動を進めていきたいと思います。

実はこの材は、一番最初にこの活動を始めたときに木を提供して下さった小山さんの山から頂いたものです。小山さんがいらっしゃらなかったらこの活動はできなかったかもしれません。改めて、感謝を申しあげます。
初心を忘れず、これからも活動をしていきたいと思います。

十三浜プロジェクト・現地活動

十三浜プロジェクトの現地活動

春の十三浜。
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3月から4月はちょうどわかめ収穫の最盛期です。波がよければその日の分を収穫し、家族総出で作業します。水揚げしてすぐに茹であげるのがおいしさの秘訣。水揚げしたわかめからメカブを切り分け、その場で塩蔵にします。仕分けなどの作業はその後作業場でもできますが、ここまでは浜での仕事です。肉厚でしっかりした味が十三浜わかめの特徴です。しゃきしゃきの歯ごたえ、たまりません!

浜のみなさんが作業されているところですが、日本工学院のみなさんと一緒に訪問させて頂きました。
今回は、2016年に日本工学院で製作して下さった家具などを現地へ運びました。
今年は屋外に設置するものではなく、屋内やフリーマーケットなどで使って頂けそうな台やベンチなどを中心にお持ちすることにしています。

相川の子育て支援センターでは、今年園長先生が交代されました。ちょうどいらっしゃるとのことでしたので、お伺いしてご挨拶させて頂きました。あたらしい園長先生は橋浦の子育て支援センターにいらした先生でしたので、活動のことをよくご存じで、安心しました!これからの活動についてもいろいろ相談させていただきました。

復興交流館へ伺いました。
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ご担当の方に、物販などの時に使用していただける、テーブルやベンチだったら使って頂けそうなことを伺っていました。足を現地で作業して組立できるようにしました。
天板も、軽自動車に乗るサイズだったようで、ちょうどよかったです。
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交流館では3月26日、念願だった第一回目の「きたかみ手づくり市」が行われたそうです。3月はワカメの時期でもあるためか、たいへんな人出であったそうです。河北新報でも紹介されました。
手づくり市でワカメやアクセサリー販売 | 河北新報オンラインニュース

運動公園の近くでもフリーマーケットに出店などしており、これからもこのような展示台でしたら使って頂く場がありそうです。また次回以降につくって持ってくることになりました。活用して頂けそうで、よかった!

あきる野で春を感じる一日・日帰り現地講座

山の自然学講座2017現地講座「あきる野

2017年3月25日は、全10回で開催している【山の自然学講座2017】の現地講座「あきる野」です。春を感じる、すてきな一日となりました。

9時過ぎ、東秋留に集合して、秋川沿いの河岸段丘を南北に横切りながら歩きました。
駅があるのが小川面、そこから秋留原面まで一度上がって、西に広がる平らな形を見渡しつつ、西方の山を見上げます。
北から東方面を広く見渡すことができ、眺めのよい高台を形づくっている、秋留原面の崖の上に二宮神社のお社が、そして崖の下からは豊富な湧水が「二宮神社のお池」となっています。東京の湧水57選に選ばれている豊富な湧き水をたたえる大きな池で、東へ流れる川の水源になっています。

多摩川と秋川がつくった段丘面は、たいへん小さな段差もありますが、歩くとその高さの違いがよく実感できます。
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この川の右岸側と左岸側、高さが違うのがわかるでしょうか。地形を利用して小学校が建てられているのかもしれません。

そして、そのハケの中に、難透水層があると、そこが湧き水の出るところとなり、水源として大切に利用されてきたようです。洪水の心配の少ない高台で、水が近くから得られるのですから、住環境としても適していたことでしょう。付近にはかつては湧水湿地も多くあったとも言われているようですが、たしかに、そのことが納得できる地形です。
途中、前田耕地遺跡を見学しました。付近にあった住居跡を復元しているとのことです。このあたりは縄文時代からの遺跡が多くあるとのことですが、春の一日、たいへん気持ちよく過ごせたことを実感した後では、そのことも納得できます。

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江戸時代につくられたであろう霞堤、これで耕地が格段に増えたのではないでしょうか。この地域ではたいへん古くから人が生活してきているわけですが、技術の進歩などと共に、このように耕作できるところを増やすなど、自然と共に歩んできた歴史がよくわかりました。近年、洪水が少なくなったことも影響しているのか、堤の間や低いところの土地利用も進んでいるようです。このことにはいろんな見方があるかもしれません。
堤には桜が植えられており、大きく育っています。年によっては春先の気温が暖かく、この堤の桜の下を歩く年もあります(桜が咲いてしまうと、カタクリとはちょっと時期がずれてしまう、というジレンマもありますが;)

切欠は都立滝山自然公園の一角でもありますが、地元の皆さんによって大切に守られてきた里山だそうです。その中の一部の斜面にカタクリの群生地があります。今年はお花の具合はどうでしょうね?と話ながら歩いていきますと...
 咲いています!参加者のみなさんも大喜びです。ちょっとだけ早めだったでしょうか、この日はつぼみの状態の個体が多いようです。


さて、しばらくお花を楽しんでいると、ここで辻村先生から、なぜここだけにカタクリが群生しているのでしょう?との問題が出されました。立地を観察して、カタクリの生育条件、なぜここが適しているのかみなさん各自で考えましょう、との出題です。
写真を撮りつつ、散策しつつ、皆さんそれぞれゆっくり観察しました。最後にみんなで集まって答え合わせ。そして辻村先生たちが調査をなさって導き出した様々な環境条件からの答えを教えていただきました。
お天気もよく、木漏れ日の中楽しい そして充実した一日になりました。
辻村先生は自然の中で人が暮らすこと、自然に合わせたり利用したりしながら歩んできた人の歴史、そして気候や環境の変動によってどのような影響が出るのかなど、たいへん広く講義をして下さいます。
参加したみなさんも、自然と人との関わりについてそれぞれ考えることができたのではないでしょうか。

辻村先生、大変お世話になった幹事のみなさん、そして参加してくださったみなさん、ありがとうございます。

2017年初_大蔵喜福理事長メッセージ

2016年会報・はじめに 時代の求めるもの、若者をどう取り込んでいくか

山から始まる自然保護(当会年会報)16号 2017年2月22日発行より
大蔵喜福理事長 巻頭言

 今年は、5月9日のマナスル登頂60周年、8月11日、初めての「山の日」が国民の祝日として実施され、山関係の催事や行事が長期間続き、海外の山は別にしても国内の山に因むいろいろな催しは、山の日を中心に大いに盛りあがりを見せたようだ。山の日の目的は多角的で環境や生活の課題も含まれ、自然からの恩恵を代々引き継いでもらうための自然保護保全の意味も大きいが、その祝日模様は山登りの日といった感が大に思われた。山の日は『山に登る』というのがやはり一般からすればわかりやすいことなのかも?

 だが、我々山好きの自然愛好家には、山歩きの都度、ただ歩くのではなく、自然のいろいろな変化や異常な状況を観察する役目があり、その自然からのメッセージをインタープリーティングする義務を持つと常々思っている。日本の大自然の環境問題を町場に居て、とやかく言うことは意味の無いことで、山に入り登らなければ始まらない。
 環境省の自然観察指導員にしても、山に行く職業の人、山に居る職業の人でないと役に立たない。だから登山ガイド、山小屋、救助隊、ボッカ、林業などの仕事人が多いのはうなずける。でも見回るだけでなくしっかり観察して、調べ、明確に記録し報告をすることが大切で、見るだけで何もしないのでは困りものだ。私もここ10年くらい指導員を続けているが、観察はするが、調べて記録し報告となるとすべて完璧にできてはいない・・・反省しきりである。
 さて、その反省の殆どが自らの登山スキルに余裕がないことが要因になる。荷物が背負えない、早く歩けない、岩場をスムーズに登れない、すぐ疲れる・・・できればいつまでもスキルの落ちない、すばらしい体力と知力が備わったアンドロイドのような身体がほしいと思う。単独で何処へでもよじ登れて、サッサと移動できる。それなら高くて険しくて、誰もいけないような地形の大自然を見ることもでき、さらに観察地域も広範囲になる。そこには何が?そこの環境はどう?とドローン張りに観察できればすごいことだ。だが人間は所詮人間、年を重ねると体力・気力がドンドン落ちる。山へ登れなくなれば、高山植物にしてもライチョウなど高山の鳥、小動物、蝶や昆虫・・・氷河期のレリックとして世界に誇るあるいは残る「これら絶滅危惧種をどう守っていくか」といった崇高な目的も、スキルの衰えと共に乖離していくような気がしてならない。
 そこで、高齢化した我々は何をしてこの体たらくに抗していくか?大問題。放っておくと、組織そのものがなくなる・・・えらいことだ。それには自然大好きな若者を山登りに引っ張り込むことを実行に移さねばならない。まず山登りの崇高な意義と目的を共有する、そして一緒に楽しみを覚える活動をする、さらに自らを鍛え高める鍛錬など、我々が新しい仲間=若者と一緒に行動する山行 (機会)を沢山持つことである・・・当然な答えである。ところがそう簡単に若者は『山好き』になってくれない。世の中不景気が続き、夢や希望を持たない年金暮らしのような若者には、山を考えることは無理なのか??いやいやそんなことは無いはず!!我々の若い頃だって同じようなもの。多少は嬉しやのバブルも経験したが、好きなものは好きで、どこかを我慢してでも山登りの資金はひねり出す努力はいっぱいしてきた。そう考えると自分たちの経験を生かせばいいことで、登山なら、市井の山岳会を再生させること。会ができれば次世代の養成ということは不可能ではない。

 われわれ”山の自然学クラブ”も同様に、登山に力を入れようとすれば若者には響くと思われる。屋外の登山教室や自然観察も登山の一部としていろんな団体とコラボし、学習とスキルアップに力を注ぎ、その上で自然学の発展を想像してみたいと思い始めた。来期の目標、今までも少しずつ言ってきたが、本当に実践する年にしたい。手始めに少し無茶でも油断なら無い山登りでスキルを磨きたい。乞うご期待!! 
 遭難の8割が団塊世代老害といわれないように心身頭脳ともさらに鍛えねば成るまい。本年も会員皆さまのご協力を節にお願い致します。

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